ハブ酒78
普段使っているパワードスーツと違って、身体全体を覆うものでは無く、腕に足、胴体に頭と部分的に備える武具のようだが、
(これがあれば戦える……のか……)
手にした瞬間から感じる「力」は本物で、原人が振るった「力」と同じモノを感じる。
このパワードスーツは、そういう「モノ」を相手にする為の武器、そういうモノを相手にするカテゴリーの武器なのだろう。
『ガシャ…ガシャガシャン……』
誰も見ていない間に、装備品を手にするとパワードスーツを着る要領で、自分の体に身に着けていく。
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「それで例のドラゴンは?」
「今、倉庫で保護しています」
「うむ、この鳥かごを失う事になったとしても、護り通してくれ。引っ越し先には、地上の都市があるのだからな」
「はっ‼厳命させます‼」
「うむ、頼む」
四人乗りの小型トラック、灰色の鉄板で組み上げたかのような武骨な車には、運転手と、後部座席に、モザイク模様になる程に記章を胸に付けた将校が乗っている。
(ドラゴンがついに……)
それは長年の夢であり悲願……この世界に現れたエルフ達の亡霊によって、この世界にいたドラゴンは死滅させられた。
もしかしたら、自分達の知らない所で生きているのかもしれないが、記録に残るドラゴンの住処は根こそぎやられてしまったが、
(魂の結合は、哺乳類であるエルフと人間の相性で負けて、出遅れてしまったが、これで形勢は逆転する)
滅ぼされたはずのドラゴンが現れた事で、話しは変わる。
「こちらです!!!!こちらで止まって下さい!!!!」
「さてさて、襟を正さなければな……どうだ、レディの前に出て恥ずかしくないかね?」
「ドレスコードは、ばっちりです」
「ははっ、花束が無いのが悔やまれるね」
誘導灯が揺れる所に小型トラックを止まると、その場にいた全員が小型トラックの横に整列する。
「ご苦労、早速ですまないがドラゴンの様子はどうかね?」
「はっ、先に戦闘を行っていたのか、いささか精神を消耗をしている様子であります」
「なるほど……エルフ達の襲撃に真っ先に立ち向かったという話だからな……そこでT-REXともやり合わせてしまったのは、申し訳無い事をしてしまった」
ドラゴンもどきと争わせるために放ったT-REXが、ドラゴンを襲ってしまったという連絡は来ていた。




