ハブ酒75
一体誰が、自分の事を呼び止めているのかと、屋上から顔を出すと、
『今迎えが行きます!!!!』
これまた……一度もあった事の無い人が、拡声器を担いでこっちに叫んでいる。
いつもなら、この姿を見せてはいけないと、とんずらする所であるが、気力を失っている火内はなすがままに、なんで自分の事を?と思いながらも、言われるがままに屋上に留まっていると、
『『『トタトタトタ!!!!!!!!!!』』』
階段の方から、人の足が聞こえて来る。
今度は知っている人が来るのかと、首を伸ばして待ってみるのだが、
「いたぞ!!!!」
屋上に上がって来たのは、見知らぬ兵士達。
自分の一体何の用なのかと、一度人間サイズに戻って、会話をしようかとも思ったが、
「君は、我々が保護する!!!!」
「応援を呼ぶ!!!!」
火内の事を蚊帳の外にして、段取りが進んでいく。
『…………』
マナを使えない人間では共鳴する事は出来ず、物言わぬドラゴンとして立ち尽くす事になるが、
『バッバッバッバッバッ…………』
そんなのは問題にならないと、こちらの意思とは関係無く、戦闘ヘリが迎えにやって来る。
「あれに付いて行くんだ!!!!」
『…………』
「大丈夫!!!!我々は君を保護するために来たんだ!!!!」
「さぁ行くんだ!!!!」
こちらが戸惑っているの感じて、念押しをして来る兵士達。
『…………バッッサァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!』
「おぉ‼‼」
このままでは、どちらにせよこの鳥かごは崩壊する……ならば、これが罠であろうと、行ける所があるのなら行ってやろうと、羽を大きく広げて飛び立ち、自分を迎えに来たという戦闘ヘリに合流しにいく。
『……………』
念の為に、戦闘ヘリよりも高く飛び、横から周り込むように戦闘ヘリに近づくと、
『こちらは味方だ、これより君を安全な所まで案内する』
警戒されている事を分かっているらしく、戦闘ヘリはドラゴンに対して後尾を見せて、疑うならいつでも落とせとアピールをして来る。
『…………』
こんな事をされては、火内も大人しく付いて行く事しか出来ず、戦闘ヘリの後に続いて飛んで行く。
一体どこに連れて行かれるのかと、周囲を見ながら、自分がどの辺にいるのかを確認しながら、戦闘ヘリとランデブーしていると、
『これより着陸する、後に続いて降りてくれ』
(ここは……)
火内が辿り着いたのは、軍事基地であった。




