ハブ酒73
『何がしたいんだよ!!!!!!!!!!テメェらは!!!!!!!!!!』
『分からない……もしこの作戦を、最初から伝えられていたとしても、我々には拒否権等無い。この作戦を最初から命じられていれば、この作戦の為に戦っていたまで……言える事は、我々が秘密裏にしてたんじゃない、秘密裏にしていたのは向こうだ』
『…………』
原人の溜息交じりの言葉に、火内は黙るしかない。
『用事が出来た。後は頑張ってくれ……』
『あれと戦ってくれないのか……』
『…………』
ドラゴンの絶望交じりの問いに、原人は黙って首を振るしかない。
『また会う事が、あれば良いな』
原人は、一言だけを残すとそのまま立ち去ってしまった。
『…………』
「きゃあぁあぁあぁああぁ!!!!!!!!!!!!」
「ぎゃあぁあぁああぁあぁあぁぁ!!!!!!!!」
『『『『『ふほほほほほほ!!!!!!!!!!がははははははははは!!!!!!!!!!』』』』』
人の悲鳴と怪物の笑い声が入り混じる、おぞましい声が聞こえるが、それでも怒りが沸いて、力が沸き立つ事は無い。
怪物が建物に手を付けて、中にいる人達を殺す度に、どんどんと大きくなる。
最初から手出しも、止める事も出来なかったのに、ここから更に成長されては、もうどうにもならない。
放心したまま……世界が滅びる様を見る事しか出来ず……
『だったらせめて…みんなで……逃げよう……』
せめてみんなを連れて、この終末が始まった世界から逃げ出そうと、大きな体に見合わないコソコソとした動きで、その場を後にしようと……
『『『バッバッバッバッバッ……』』』
『何の音……だ?』
それは空気を切る音。
遠くから聞こえる空気を切る音に、火内は、下げていた首を上げて、
『『『『『この匂いはマナか。備えはしていたという訳か』』』』』
怪物もまた、建物の中を焼き払っていた手を止めると、龍の首を空に持ち上げ、
『『『『『腹ごしらえをしようではないか!!!!!!!!!!』』』』』
ドラゴンの羽を羽ばたかせて浮かび上がり、遠くから聞こえる風切り音に向かって飛んで行く。
『うっ………』
『『『『『かわゆいかわゆいかわゆいのぅ!!!!!!!!!!』』』』』
浮かび上がった怪物が、建物を通り過ぎる時に目が合うのだが、まるで眼中に無いと言わんばかりに、火内を無視して行くのであった。




