ハブ酒72
不気味で不格好な創造物、それは怪物というのだろうか?
不気味で不格好な怪物が、手近なビルに手を付けると、
『『『『『頂こう!!!!!!!!』』』』』
『ボッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
「きゃあぁあぁあぁああぁ!!!!!!!!!!!!」
黒い炎が、フロア一杯に燃え盛り、
『『『『『さてさて、こちらはどうかな』』』』』
『バチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!』
「ぎゃあぁあぁああぁあぁあぁぁ!!!!!!!!」
黒い稲妻が、フロア一杯に降り注ぐ。
圧倒的な力が、仔犬を撫でるかのように、容易く行われる。
フロアの中にいた人間は、水槽の中の金魚。
生きる為の水が突然、黒い炎に変わって体を焼かれる。
フロアの中にいた人間は、電子レンジの中の食べ物。
食べ物を温めるかのように、部屋の中を稲妻が暴れ回る。
不気味で不格好な怪物が、愛しそうに建物を撫でるだけで、建物の中が地獄絵図に変わる。
『なんだよそれは!!!!!!?』
どうやって抵抗して、どうやって戦えば良いのかと分からない相手に、火内は絶叫する事しか出来ず、
『そういう事か……』
原人は、一言漏らす事しか出来ないが、
『そういう事……?何がそういう事だ?』
漏らした一言を、火内は聞き逃さない。
『答えろ!!!!何を知っている!!!!』
原人に、お前が知っている事を話せと詰め寄ると、
『私達の今回の任務は、この鳥かごを強襲する事だった……』
原人は肩を落として、自分が気付いた事を喋り始める。
『任務としては単純な話だ。鳥かごにいる人間を殺し、拠点を叩け……そういう任務だったが……』
そこで原人が、下にいる不気味で不格好な怪物に視線を落とすと、
『グチュグチュブチュブチュ…………!!!!!!!!!!!!』
『あれはマナなのか!!!?お前が言うマナで大きくなっているのか!!!?』
体が大きくなっていく。
『それは違う……死んだ者達の魂を糧にして、あれは動いている』
原人の中で合点がいく。
無謀な作戦、意味の無い作戦……そう思っていた作戦だったが、
『『『『『ふほほほほほ!!!!!!!!新鮮な命は英気が養われるわい!!!!!!!!!!』』』』』
自分達の作戦は、この不気味で不格好な怪物の為であった。




