ハブ酒65
それは、コンビネーションと言える代物ではない。
ただ拳を振るい、ただ暴力を振るう。
T-REXもこの状況を打開しようと、地面に転がる遺体に口を付けようとするが、
『ドッッオッシィィィィィィ!!!!!!』
同じ巨体を誇るドラゴンが、体を押し付けて、壁に張り付けにして来るものだから、身動きが取れない。
胃の中に残されている食物がある限り、T-REXの命は尽きないが、
『バチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!』
『バァガァァァァァァァァンンンン!!!!!!!!!!』
ドラゴンと雷鳴の猛攻が、命を繋ぎ止める食物を激しく消費させていく。
T-REXの体は再生していくが、それは完全なる再生では無い。
止まること無く体を破壊されるために、体の中がグチャグチャに再生し、体の中に血が溢れてブヨブヨに波打つ。
爪を立てられて皮膚を引き裂かれても、引き裂かれた皮膚はすぐに再生するので、血を外に噴出させないのだが、それが逆効果となる。
血で膨らむその姿は水風船のようで、これでは、まともに戦う事すら出来ない状態になってしまうが、再生するという単純な能力が暴走して、制御が出来ない。
T-REXは、度重なる暴行に体を大きく膨らませて、膨れ上がったカエルのように丸々となって……
『バチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!』
『バァガァァァァァァァァンンンン!!!!!!!!!!』
『ブゥゥゥゥチャァァァァアアァアァアアァ!!!!!!!!』
二人の猛攻に耐え切れなくなったその時、T-REXは内臓物をばら撒きながら破裂する。
道路に転がる遺体を真っ赤に染めて、周囲が赤くなる。
『ぶっ……!!!!』
『うぐっ……!!!?』
飛び散った血液が口に入り、二人共、唾と一緒に赤い液体を吐き出し、
『こんな状況からでも、再生するのかね?』
『主要な部分があれば、再生するんじゃないか』
見事に破裂したT-REXの遺体を見つめる。
破裂した肉体は、各々で『ヒクヒク』としたながら、まだ生きていると主張するが、再生までにはいたらない。
どうやら、何でもかんでも再生する訳では無く、再生するには何かしらの条件が必要だというのが見て取れる。
二人して、このT-REXを再生させる根源が何なのか、ぶちまけられた内臓を注意深く見ていると、
『……なるほど、医食同源とはよく言ったものだな』
原人が、破裂した胃が再生しているのを見付ける。




