ハブ酒63
目が『ギョロギョロ』と動き出すと、体が『バタンバタン』と陸に打ち上げられた魚のように、体を激しく脈動させる。
暴れるT-REX、がらんどうにしたはずの頭の中に、脳みその実が、もう出来ている。
それは、これから大きくなって、T-REXの体を動かす大事な実。
『まだ死なないのか……!!!?』
再びこの世に戻ろうとするT-REXに、火内は驚嘆の声を漏らすが、
(とんでもない化け物だな……)
原人は、T-REXの馬鹿馬鹿しい程の生命力に、口角が上がって笑う。
原人がドラゴンに協力するのは、敵とはいえ、別勢力に一般人が襲われている事に、義憤を覚えての行為ではない。
単純に、このトカゲの化け物が、どれほどの物なのか知りたかっただけ。
普通の生き物なら、脳みそを破壊された時点で死ぬし、細胞分裂をしない脳が再生するかを知りたかった。
興味本位とも言えるかもしれないが、今後の事を考えれば、このトカゲの化け物は、こちらのドラゴンもどきとやり合う事になる。
ドラゴンは、このT-REXは自分達の陣営の生物兵器では無いと言っているが、この状況で第三勢力がいるとは考え難い。
『脳みそが駄目なら、心臓を潰すぞ!!!!』
『……しょうがない!!!!』
自分が利用されて、トカゲの化け物の性能を丸裸にするのに、一役買っているの事に気付いていないドラゴン。
『肋骨は任せろ!!!!』
もう一つの細胞分裂のしない臓器、心臓も再生するのかと、興味という名の調査に付き合わせる。
『バチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!』
T-REXの脳みそが再生し切る前に、雷鳴化すると胸に狙いを定め、
『バッッッヂヂィィィィィィンンン!!!!!!!!』
『バギバギバギ!!!!!!』
白銀の弾丸となって、T-REXの肋骨を破壊すると、
『パァアァアァァァァァァアァアァァアァァ!!!!!!!!!!』
小さな小さな脳みその実は、体に走る苦痛に反応して叫び声を上げる。
体は大きいが、脳みそは小さい……それは赤ちゃんをいたぶるような物なのかもしれないが、それでもドラゴンの手は止まらずに、砕けた胸に手を突っ込み、
『ブチブチブチブチブチブチ!!!!!!!!!!』
太い血管がまとわりつく心臓を、体内から引き抜き、
『くたばれぇぇぇえぇえぇぇえぇぇ!!!!!!!!』
T-REXの体を足で押さえ付けて、そのまま心臓を引き千切る。




