ハブ酒5
中央基地に戻った後、RLに報告を上げる時に、電気を扱う不思議なRL、ドラゴンもどきを報告に上げて、そこでドラゴンに付いて話をすると予想通り、生徒達を守りながらRLと戦闘したから、見間違いをしたのではと言われた。
普通に考えれば、電気を扱うRLやドラゴンもどき、ドラゴンの話など戯言に聞こえるが、それでも実際にドラゴンもどきの遺体を見れば、話しは変わる。
象のような分厚い皮膚を持つ巨躯に、象のように太い足、巨人のような太い二本の腕、それに、これまた大きな蝙蝠のような大きな羽。
そして、長い長い象の鼻のような首、その先端にはあの耳の長い原人の顔。
ドラゴンもどきの発見により、自分達の話は現実味を帯びて盛り上がる。
哺乳類のキメラで創られたドラゴンもどき、それは自然界には存在しない生物。
電気を扱うRL、ドラゴンもどき、それにドラゴン……まるでファンタジーのような話に、基地内では最初とは打って変わって、娯楽を求めるかのように話を聞かれて、その話をしていると、
「その話は、こちらで聞こう」
例の特殊部隊だ。
ヘリコプターを飛ばして、わざわざ中央基地まで来たたのだろう、ドラゴンもどきの発見から報告を受けたにも関わらず、来るのが早かった。
例の特殊部隊は、余程ドラゴンの話をされてくないのか、自分達を隔離するかのようにヘリコプターに乗せて連れ去ると、彼等の為の拠点に連れて行かれてしまう。
そこでバラバラに一人ずつ、簡易的な尋問されるのは予想出来ていたので、
「念の為にですが、そこにいる彼女はRLHです。そこの教官は彼女の母親で、自分は……胸ポケットに所属が書かれている証明書が縫い付けられています。間違っても、変な事はしないで下さい」
ドラゴンの事を聞かれるだけというのは分かっていたが、念の為に釘を刺す。
すると特殊部隊の一人が小此木の胸ポケットを破り、そこに書かれている証明書を確認すると「なるほど」と頷いてから、小此木を最初に部屋に連れて行くのであった。
(全く…面倒な話だった……)
隠した事は火内がドラゴンである事だけで、後は素直に話した……本格的な尋問されても良い様に、みんなで口裏を合わせ、その内容も精査し、問題無いと太鼓判を押したが、向こうも向こうでしつこかった。