ハブ酒53
建物の中に入ると、そこには人だった肉片が散らばり、フロアが赤く染まっている。
血の独特な臭いが立ち込めて、少し気持ち悪くなるが、それでも自分の記憶を頼りにして、赤く染まる床に足を付けないように、ミンクを殺した所を探すと、
「……あった!!」
ミニガンを大切に持ちながら、息絶えているミンクの遺体を見付ける。
最後に始末したミンクの持っていたミニガンは、弾帯を握り潰して使えなくさせてしまったが、その前に始末した奴等のミニガンは使える状態で残した……というよりは、上の階からも銃声が聞こえたから、即座に始末してやったのが事実だが、それが功を奏した。
容赦無く体を引き裂いて、内臓をぶちまけてやったから、ミニガンには一切の破損は無い。
ミンクの血で汚れる床の上に降り立つと、ミニガンを奪い、弾薬とバッテリーを剝ぎ取って背負い、
「ハチの巣にしてやる!!!!」
準備は出来たと言わんばかりに気合を入れ直して……
『パァッァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!』
「なんだ!!!?」
突然、外から管楽器を乱暴に鳴らしているかのような音が響いて、火内が入れ直した気合が掻き消される。
「なにが?」
管楽器のような甲高い音……だが、どこか生き物のような震え……フロアに満たされて駆け抜けた音に、火内の思考が鈍るが、
「助けてぇえぇえぇぇえ!!!!!!」
「もうイヤァアァァァアァァ!!!!!!」
「…………!!!!!!」
こんな時に考え事をしている場合では無いと、ミニガンを手にして外へと飛び出すと、
「なんだコイツは!!!?」
火内の目に止まったのは、
『パァッァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!』
古の時代を支配していた最強の生物、T-REXが咆哮を上げている。
象のように太く分厚い肉厚な体、体を支える大地を踏みしめる足は鳥類独特な三叉の足、そしてワニの頭を膨らませたかのような大きな頭……それはどこからどう見ても、古代生物のT-REX。
『ドシン!!ドシン!!』
「まっ…待て!!」
突如として姿を現したT-REXは、古の習いに習って、自分の縄張りを荒らす、ドラゴンもどきを始末するために歩み出すのだが、
「うげけぇ……」
「ぎょぉ……」
T-REXに、足元にいる人間を思いやる気持ち等あるはずも無く、容赦無く踏み潰していく。




