ハブ酒52
『ヒクヒク』と蠢く人間、それはもう助からないと分かっているが人間……炎に巻かれて苦しんでいるのは分かっているが、だからと言って、介錯するために殺せるかというと出来ない。
でも、そうして戸惑っていても、ドラゴンもどきは侵攻を止めない。
こちらが手を出さなければ、ドラゴンもどきは意気揚々と地面に転がる人間を踏みしめながら、建物に顔を突っ込み、
『ジリリリリリ!!!!!!!!』
炎を吐き出して、建物の中にいる人間を外に誘き寄せる。
『グゥ……』
これ以上被害を出さない為にも、地上に降りてドラゴンもどきとやり合おうとするが、
『ギョォォオォォオォ!!!!!!!!!!』
『グゥゥガァァアァァ!!!!!!!!』
足元にいるまだ生きている人、今飛び出して来た人を踏み潰さないようにする為に、足元がお留守になってしまい、ドラゴンもどきに押し込まれてしまう。
人を踏まないように、間違っても踏み殺さないように、足を浮かせてしまい……
『ドシィィィィィィ!!!!!!』
『グゥァ!!!?』
そのまま建物の壁に叩き付けられてしまうと、体が歪む。
哺乳類を搔き集めて創った不恰好なキメラであるが、それでもドラゴンを模倣したキメラ。
その力は本物であり、浮足立って戦えるような相手ではない。
『ギョォオォゥゥゥゥウウゥ!!!!!!!!』
『グゥガァアァ!!!!!!』
もう一体のドラゴンもどきが、止めを刺そうと突っ込んで来るので、タックルして来たドラゴンもどきを蹴り飛ばして、空に飛び上がったが、
『ドスドスドスドス!!!!!!!!』
「ぎゃあぁ!!!!」
「うぎょおぉ!!!!」
空に飛び上がる為に蹴り飛ばした行為が、地上にいる人を殺した。
これでは、まともに戦えない……何とかしなければと思いつつも、こんな事なら、まだパワードスーツを着て、銃を撃った方がマシで……
『…………!!!!』
その時、火内の頭の中で妙案が浮かんだ。
ここまでミンクを始末して来たが、そのミンク達はミニガンを持っていた……普通ならパワードスーツを着なければ、とてもじゃないが扱えきれる物じゃないが、今の火内はドラゴン。
火内は体を小さな人型のドラゴンに戻すと、
「あそこだ!!」
ミニガンを一番速く回収出来る、建物の中へと向かう。




