ハブ酒50
凛よりも小さい子供が、自分の足に抱き着いて泣いている。
怒りで我を忘れて、怒りに身を預けて……怒りという存在となって、ミンクをいたぶり殺そうとしたが、
「もう大丈夫だから……ごめんね……遅くなって」
膝を床に付けて、天使のように片羽で子供を覆い隠し、子供からミンクを見えないようにして、悪魔が持つ三叉槍のように爪を立てて……
『ドッチュ!!!!』
『グゥッ!!!?』
ミンクの心臓を貫いて殺す。
「うっ…うぅ……うぁぅぅ…………」
「もう終わっから…怖い者はいなくなったから……ね」
コウモリの羽を持つ天使は、最後に守りきれた子供に、生きるという祝福を与え……
『ガァシャッッァァン!!!!!!!!』
「きゃあぁあぁあぁあ!!!!!!」
「うっうわぁぁあぁぁああ!!!!!!」
「まだいるのか……」
外から窓が破れる音が響き、人々の叫び声が聞こえる。
子供に生きる祝福を与えている途中ではあるが、RLを始末しなければと立ち上がると、
「うぅわぁぁぁぁ!!!!!!」
子供が「見捨てないで」と泣き叫ぶ。
親を失った子供にとって今、目の前にいるのは、自分の事を守ってくれる唯一の存在、守って欲しいとすがるのは、決して自分勝手な考えからではない。
だがドラゴンは、子供を優しく自分から離し、
「見捨てないよ……これから、みんなを傷付ける怖いモノを倒しに行くんだ……帰りを良い子に、待ってくれるかな?」
「うぅ…うぁあぁぁ!!!!!!」
「そうだね…でも、待っててくれるよね?」
決して見捨てないと、子供の頬に自分の頬をすり寄せる愛情表現をしてから、
「頑張って来るね」
「あぁあぁあぁあぁ!!!!!!」
『バァッサァァァァァァァァァァ!!!!!!』
泣いている子供をその場に残すと、割れた窓から外へと飛び出す。
「あいつ等か……!!」
象のような巨躯、蝙蝠のような大きな羽、説明するだけならドラゴンのようだが、
『ギョォォェエェエェェェェ!!!!!!』
象の鼻のような首が伸びて、その鼻の先端には耳の長い原人の顔がある。
ドラゴンもどきが窓を突き破って、建物の中に炎を吐き出すと、
『ジリリリリリ!!!!!!!!』
火災探知機が反応して、スプリンクラーから水が噴出する。
「逃げろ……!!逃げろおぉぉぉぉおぉぉ!!!!!!」
突然の化け物の襲来に、建物の中にいた者達は次々と外へと飛び出して行き、
『ギョォオォエェエェエェェェ!!!!!!!!』
「いやぁあぁあぁあぁあ!!!!!!!!」
外で待ち構えていたドラゴンもどきと、鉢合わせてしまう。




