ハブ酒41
建物の中に、人間が隠れているのは想像に難くない。
『グゥ!!』
『グゥオ!!』
その提案を名案と言わんばかりに唸ると、一つの建物に狙いを定めて動き出す。
これからボーナスゲームが始まる……このゲームを、ハイスコアを叩き出してクリアしたからといって、賞品が出る訳で無いが、
『グルゥゥゥ……』
それは子供がゲームを楽しむように、楽しい楽しい時間が……
『ヒュヒュン!!!!』
『……?』
何かが風を切る音が聞こえて、周りを見渡すと、走る人間が一人いる……それは逃げているのではなく、こちらを襲おうと向かって来ている。
靴の底が赤く染まる事を厭わず、足元に転がる死体を容赦なく踏み付けて立ち向かって来るのは、中々見所のある奴だが、それが見逃す理由にはならない……それどころか、そういう戦う意思を見せる人間は、後々の為にも始末しないといけない。
手に持つミニガンを、こちらに迫って来る人間に向けてトリガー引くと、
『『ドゥルルルルルルル!!!!!!!!!!』』
命を一瞬で肉片に変える弾丸が撃ち出されたが、
『トンッ!!』
最初から身構えていたのか、こちらの射撃に反応して横に飛び跳ねて避ける。
瞬発的に初弾を避けてみせる人間……だが、それは一瞬だけの話、トリガーを引いたまま砲身を横に動かせば、それだけで相手を薙ぎ払える。
もしかしたら、ミニガンの反動で取り扱いが鈍くなると期待しているのかもしれないが、ミンクの太い腕にかかれば、ミニガンの反動は無反動のようなもの、砲身を筆を振るかのように難なくと……
『『ガチィ!!!!』』
『…?』
振ったのだが、ミニガンが止まる。
トリガーは間違い無く引いているが、弾が出ない。
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(人様の物を使うから、そうなるんだよ!!)
ミニガンが止まったのは奇跡でも無ければ、偶然でも無い……必然の事であり、それをしたのは美優。
ツバメから受け取ったボーラを手にして、ミンクが建物に侵入しようと背中を見せたのに合わせて、
『ヒュヒュン!!!!』
ボーラを、剥き出しになっている砲身の部分に投げ付ける。
砲身の隙間に入り込んだボーラ先が砲身に絡まり、反対の先がミニガンの電力を供給する部分に絡みつく。
ミニガンは砲身を回転させて給弾するという構造上、給弾するシステムを剥き出しにしていて、砲身の回転を止められたら撃てなくなる。
もちろんそんなのは、離れた所から弾丸を、何十~何百発と撃ち込むミニガンにとって、給弾システムが剝き出しというのは、弱点と言えるような弱点ではないのは承知の話だが、
(さすがRLH用の糸だ……)
美優はそれを、弱点にしてみせたのだ。




