ハブ酒40
「あっ…それ……」
ツバメが手にしている物に見覚えがある。
それは自分の事を取り押さえる時に使う、ナイロン等を編み込んだ紐。
ナイロンと聞くと身近な物で、頼りなさそうに聞こえるが、実際にはマグロの釣りに使う程の代物。
これをリナ用に編み込んで編み込んで編み込んで……リナの一本釣りという悪ふざけをしたりするのだが、
「あげるから、よろしく」
「しょうがねぇ……やってやるか」
今回は、美優がミンクを仕留めるという。
ツバメから渡された紐の両端には、重りが取り付けられていて、それはボーラという狩猟の道具であった。
「美優……」
「心配しないで下さい。リディさんが作ってくれたこれは、RLに勝っています」
美優は、自分の機械の目をトントンと叩いて、リディがくれた機械の目を信頼していると伝える。
「さてと……」
ツバメから渡されたボーラは二つ、これで科学の粋を集めて作られた兵器、ミニガンに対抗する……それは、あまりにも無謀な行為に思えるが、
「…………」
ツバメのほくそ笑む表情は、決して捨て鉢では無い事を窺わせる。
________
『『『ドス…ドス……』』』
重たいミニガンを携行しながら、獲物が建物の中から出て来るのを心待ちに巡回を始める。
敵の住処での巡回……それはこの地点を制圧したという事。
「何がぁ……ドゥルルルルルルル!!!!!!!!!!』
相手は、自分達の住処が制圧されたと知らずに建物から出て来て、言葉を掻き消されて死ぬ。
一瞬で人間を肉片に出来る兵器は、拳で殴るのとは違う優越感があり、殴るのが獲物を狩るならば、このミニガンを撃つのは獲物を狩る『ゲーム』のような感覚。
『ドゥルルルルルルル!!!!!!!!!!』
『ドゥルルルルルルル!!!!!!!!!!』
『ドゥルルルルルルル!!!!!!!!!!』
どちらがハイスコアを叩き出せるかと、建物から現れる人間を、早撃ちゲームのように競いながら撃ち合うが、さすがに異変に気付いたのか、外に出て来る人間が少なくなる。
『グォ』
『ウゥ』
これではゲームにならないと、つまらなそうに声を漏らすと、
『グルゥオ』
弾薬とバッテリーを運んでいるミンクがビルの中を指差す……それはビルの中に入り込んで、人間狩りをしようという提案であった。




