ハブ酒34
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「そっか……それじゃあ今日の晩御飯は」
「手抜きする?」
「しないよ、小此木の好きなメニューを作ってあげる」
「やっほい!!三大欲求の一つを満たしてくれる火内君に恋しちゃう」
「満たしてるのは食欲だよ?」
金曜の夜、元々はみんなで調査に向かうはずだったが、リナとミィオが急遽、出掛けないといけないという事で、今日は二人っきり。
「今日はどうする?調査に行くの止める?」
「調査なら、二人きりで大丈夫だよ。火内君が休みたいなら、それでも良いけど」
「うぅん、行けるよ」
何とも他愛の無い話をしながら、腕を振るって料理を作る。
「今日、リナ達が合う人ってどんな人なの?」
「それは知らないなぁ」
「リナと小此木の知り合いじゃないの?」
「ミィオと美優さんの方の知り合いだって、火内君は会った事ないの?」
「会った事無いよ……まぁ、美優さん達から誘われたら会ってみるよ」
今回、自分が誘われなかった事も気にしていないし、特に、今すぐに知り合いたいとも思っていない。
機会があれば、紹介してくれれば良い位に思っている。
「さっ、お皿を並べて」
「は~い」
キッチンタイマーの代わりに、本当に他愛の無い話をするのであった。
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『『『………………………』』』
そこは大型輸送機の格納庫の中であった。
航空基地を襲撃した原人達は、いくつもの大型輸送機を奪い取り、その中にRLのミンク、ドラゴンもどきを詰められるだけ詰めた。
詰められた者達は、一言の鳴き声を上げずに大型輸送機で運ばれる。
(鳥かごか……)
そんなRLとドラゴンもどきを運ぶのは、あの原人達。
目的は鳥かごの襲撃……出来るだけ多くの人間を殺し、敵の主要部を叩くというのが任務であるが、
(なんて雑な任務なんだ……)
主要部を叩く……鳥かごの構造を教えられて、ここを叩けば良いというのは教えられている……それに、鳥かごにいる兵士は、地上で年がら年中、戦っている兵士と比べれば練度が低い者が多い。
そこだけ考えれば、ちゃんと立案された作戦のようにも思えるが、
(ミンクとドラゴンもどきは使い捨て、暴れるだけ暴れたら、生きて帰れるなら帰って来い……)
この作戦の線引きというのが目的が分からない……例えば、航空基地を奪うというのは、相手の補給を絶ち、こちらの制空権を手にする事になるが……
(これだけでは制圧出来ない……)
鳥かごを制圧する事が出来れば、まるまる住処を奪う事になり、大きな利益があるにはあるが……それをするには兵士が足りな過ぎる。




