ハブ酒31
「結局、リナは何て?」
「アタシの事を知っていると……参ったよ、話をはぐらかすためとはいえ、また今度と言ってしまった……」
美優を送らないといけないからと、リナと無理矢理に距離を取ったが「また今度」という約束をしてしまった。
しかも、その時のリナの嬉々とした顔は、社交辞令として受け取ってはくれていない。
「良いじゃないですか、今度四人で食事しましょ」
「ミィオは誘わなくて良いじゃないんか?軍学校の生活で大変なのに、せっかくの休日を無駄にされたら……」
「リディさん、もしも、リナと二人で食事をした何てバレた日には、ミィオはショックで寝込みますよ」
「うっ……」
「諦めて下さい。行事、祝い事の時だけ顔を出すという所から、一歩踏み出しましょう」
「アタシは……あの子と正面から向き合える程に、面の皮は厚くないんだ……」
「そう言っていると、ミィオと会えるのは数回だけになりますよ」
「あっ…でも……リナに何かをしたってのは違うんだ。他の誰かと勘違いしているんだから、それを横取りするというのは……」
「これも何かの縁だと思って諦めて下さい。その辺の話は自分がしておきますので、空いている日でセッティングします」
「美優……」
リディは駄々っ子のように、嫌々と渋い表情をするが、そんなのはお構い無しに美優は約束を取り付け、
「それでは」
「あぁ……」
裏門に辿り着くと、まだ何か言いたげなリディを置いて行くのであった。
________
「リナありがとうッス!!」
「どっどうしたの!?」
軍の方での身体検査を終えて帰って来て、大人しくしていようとしたのだが、ミィオが熱烈な歓迎でハグをして来る。
一体何が「ありがとう」なのか分からず、目を丸くしてしまうのだが、
「リディさんが、リナを連れて食事をしようって誘ってくれたッス」
「あっ…そっか美優さんと一緒にいたから……」
リナの中で合点がいく。
あの時、側にいたのが美優さんだったから、ちょっと無理強いをしてリディさんを連れ去ったが、よくよく考えれば、リディさんと美優さんが一緒にいるという事は、ミィオも知り合いだという図式が浮かぶ。
「いつも仕事が忙しくて会えないスけど、学校の友達と会ってみたいって」
「そっか……それは良かった」
あの時の事の、お礼をしたかっただけだったのだが、何だが話が大きくなっている。




