ハブ酒26
だけどそれは叶わなかった……リミィ達がいる準都市に、RLに襲われた輸送機が不時着し、中に積まれていた生物兵器が暴れたのが全て……
その後、自分が美優とミィオにした事と言えば、二人を保護した事であるが……それにも、情けない話がある。
上の連中は、この件に自分達が関わっている事を隠蔽する為、準都市を共同墓地として放棄させ、変に勘繰られたり反発されないように、寄り添うフリをして懐柔し、生き残った者達に都市か鳥かごに住む権利を与えたのだが、その話を利用して二人を保護したに過ぎない。
二人の事を不幸のどん底に叩き落した張本人である自分は、こうしておめおめと 生きている……二人の事を守らなきゃという理由で生きているが…もしも……もしもあの時に、二人も死んでいたら?その時、自分で命を断ち切る事が出来ただろうが?
正直な事を言えば、きっと死ななかっただろう……復讐をする為と……何かしらの理由の理由を付けて……
「リディさん、これを見て下さい」
「……?」
指の隙間から見せられたのは、スマホに映る写真。
「リディさんは、自分のせいだと後悔して、ミィオと向き合えないのは分かっています……だけど、リディさんのお陰で、ミィオは生きていられるんです。ミィオも、それをちゃんと分かっています」
スマホの中に映るのは、最近のミィオなのだろう……あの子が不幸な目にあっているのなら、何が何でも助ける……が、幸せに暮らしているのなら、それに関わらない……自分のような卑怯者が、側に居てはいけないと心に決めたから。
だが、指の隙間にはミィオの最近が見る事が出来る。
何とも情けなく弱い決心なのだろうか……リディは指の隙間から、スマホに映るミィオの幸せな生活を覗き見……
「なんでこいつが一緒にいるんだ?」
「こいつ?リナの事ですか?」
写真の中にいるのは、ミィオとRLHのリナ、それとそのお目付け役の小此木に部下である火内。
この中で変わった奴と言えばRLHのリナ位であるが、
「そいつじゃない、こいつだ」
「火内ですか?」
リディが指差したのは火内であった。
「こいつはまぁ……タフネスですけど……」
人よりも優れている所はあるが、RLHのような明らかな差は……
「こいつ、人間じゃないかもしれない」
「人間…じゃない……?」
それは予想だにしていない返事であった。




