ハブ酒25
自分達の母親を殺され……この目と腕と足を機械にする原因を作った奴等……そいつ等に復讐する事が目的だが、それとは違う所で、また誰かが苦しんでいる人がいるのかと思うと反吐が出そうになる。
あの日、多くの人達が死んだ……絶望と苦しみ……恐怖の中で生きたいと願いながら、もがき死んだ……その中で自分は、目と腕と足……そして母親を失う事で生き残れた……
(全てを失わなかった……が、奴等の全てを奪う!!)
足をへし折り…腕を千切り…目を潰し……大切な人を皆殺しにする……自分達が何をしたのかをい理解しなくて良い……奪われる苦しみを味わい、なんで自分達がこんな理不尽な目に合わなければと、何も理解出来ずに怒り嘆き叫べば良い……
「すまない……お前達には、本当に申し訳無い事をしたと思ってる……」
「あっ…違うんですリディさん!!リディさんに恨み事を言ってるんじゃないんです!!」
苦みが走るミルクティーを睨む目は親の仇を見据え、どのような凄惨な目に合わせてやろうかと考え込んでいたのを、リディに感じ取られてしまった。
リディは、美優の突き刺すような目に耐えきれずに、自分の顔を抑えるように覆い隠し、
「すまない…本当にすまない……あたしがあれを創ったばかりに……未来も…故郷も…お前達の母親であるリミィすらも奪ってしまった……」
「リディさん!!」
昔の事を、思い出してしまう。
対RL用に創り出した生物兵器……それを上の連中に勝手に持ち出されてしまったのだが、その生物兵器を運んでいる輸送機の一機がRLの鳥に襲われて、美優達がいた準都市に墜落してしまった。
準とは言え都市は都市、多くのパワードスーツに多くの兵器、多くの現役の兵士達が駐留していたが、それでも、リディが創った生物兵器達と死闘を繰り広げる事となり、兵士だけでなく民間人を含めて半数以上が死に、準都市は多くの者達の血に濡れた墓標となった。
そしてその墓標の中には、リミィもいる……
「アタシのせいで…アタシのせいで……」
「リディさん!!」
ほんの少し時期ずれていれば……もう少し早く自分が、リミィ達を鳥かごに呼び寄せていれば……リミィ達が鳥かごに来てから、輸送機が襲われていれば、リミィは死なないで済んだのに……




