ハブ酒22
「だったらアタシと火内君で、あの液体を飲めば、水は二人で飲めるじゃん」
「それは緊急事態の話だよ」
「むぅ……」
こうもしっかりとホールドされると、ドラゴン形態の時の火内を振り払う事は難しく、せめて小此木にいちゃもんを付けてやろうとするが、正論で返されてしまう。
「そうだよね、本当に緊急事態になって水が足りなくなったら、僕達は液体を飲もう」
「……うん」
飲める液体を持って来たのだが、やはり見た目というのは大事らしく、火内も慰めてくれはするが、どことなく小此木の肩を持つような感じがする。
せっかく持って来た青い液体を捨てられてしまったのは非常に不服で、非常に不快であるが、今回は我慢して……
「所でさリナ……どうやって、どこからこれを持って来たの?」
「…………」
「リナ!!」
今回は我慢して話を終わらせようとしたが、小此木の方がそれを許さない。
「あっ、そこは!!」
小此木が、いきなりベッドの下に手を突っ込むと、バックを取り出すと、
「これは何⁉」
「ちょっと借りただけ……」
「学校の訓練だよ!!使って良い物じゃないでしょ!!」
「うぅ…ごめんなさい……」
二人がいるから中身を出したりしないが、何かはもうバレているらしい。
「それでどこに忍び込んだの⁉」
「…………」
「リナ!!」
小此木はリナのやった事に付いて、後始末をしようとしてくれている。
その為にも、リナが何をしたのか知らなければならない……だから小此木は怒りながら、何をしたのか詰問してくる。
「大丈夫だから……」
「何が⁉それはリナの主観でしょ⁉それとも誰かに協力して貰ったの⁉」
「…………」
「沈黙しない!!」
小此木が理性的な人間で良かった……ここで手を出されても文句は言えない……
「リナ!!」
「大丈夫だから……」
「言っとくけど、今日一日くらい学校に行けなかったとしても……」
『バサッ……』
「火内君?」
今日一日、小此木の問い詰めを覚悟しなければならないと青ざめたが、火内がリナを隠すように羽で覆う。
「本当に大丈夫なの?もしも何かあったら言って欲しいな……みんなで協力すれば、何とでもなると思うんだ」
「火内君!!」
『スッ……』
リナを甘やかさないでと文句を言おうとしたが、火内は長くも太い、ドラゴン特有の尻尾を小此木の方に向ける。




