ハブ酒1
「これ……飲んで大丈夫なんスか?」
「リナ…これをどこから持って来たの?」
「地下層の方だよ」
明らかに怪しい液体……ブルーハワイのような青々とした液体が、リナの持つコップに並々と注がれている。
「洗浄液じゃないスか?」
「違うよ、ハブ酒みたいな感じだったと思う」
「いや……だからと言って」
喉は乾いてる……けれど、リナの足元にあるポリタンクに満タンまで満たされた謎の液体に、手を付けるかと言われると……支給されている水だけでは心許ないから、何とか自力で水を確保しなければいけないのだが……
「大丈夫だよ」
「待つッス!!」
「ダメだってリナ!!」
飲んでも大丈夫だと、口に付けてアピールしようとしたリナを、火内が羽交い絞めして、ミィオが奪う。
「大丈夫だって!!」
「ダメッス!!一回、小此木に確認を取るッス!!」
「確認したよ、捨てよっかそれは」
飲んでも大丈夫と豪語するリナは、奪われた得体の知れない液体をコップを取り戻そうとした所で、水の支給から帰って来た小此木が、先に謎の液体を手にすると、
『ジャバァ!!』
「あぁ~小此木いぃ!!!!」
躊躇無く流しに捨てのだが、せっかく持って来た怪しい液体を流し台に流されたリナは、怒って小此木を襲うとするので、
「火内君!!!!」
「しょうがない……」
『メキメキメキメキメキ…………』
RLHであるリナを止められる、ドラゴン形態へと姿を変える。
「小此木ぃぃぃぃ!!!!!!」
「落ち着いてリナ!!!!」
「ドアのカギ、閉めてくるッス」
「じゃあ、僕がこれを捨てるよ」
「小此木ぃぃぃぃ!!!!!!」
ドラゴンの姿になった火内を、みんなに見られないようにドアの鍵を閉め、リナの恨みを一身に受ける為に、小此木が怪しい液体を捨てて、暴れるリナを火内が抑える。
「……助かるよ火内君」
前なら首を絞められて、鶏のように『クエックエッ』鳴いていが、
「がぅがぅがぅがぅがぅがぅがぅがぅがぅがぅ!!!!!!!!」
「落ち着いてリナ!!!!」
ドラゴンのボディガードがいるお陰で、今では……
『スルッ!!』
「あっ!?」
「えっ!?」
最近のリナは、前にもまして鍛錬を積んでいるお陰か、火内の羽交い絞めから抜け出すと、小此木は足を掴まれて、
「うがぁああぁあぁああぁぁぁあぁ!!!!!!!!」
「いやぁああぁぁぁあぁぁあぁあぁ!!!!!!!!」
生身の肉体のまま、血液分離機にように振り回される。