ハブ酒18
青い水の中に沈むドラゴン……だが、それは火内ではない……青い水の中に沈むドラゴンは、火内が巨大化した時より大きさが、一回り小さく、それに何だか丸みを帯びていて……
「そんなに、マジマジと見られたら恥ずかしい」
「えっ…?あっそんなつもりは」
「冗談。もっと見たかったら、見ても良いのよ?胸も股の間も」
「うぅ……そんな事しません……」
白衣の女性の人に、もう手玉に取られている自分が哀れでしかない。
「悪ふざけが過ぎちゃったか?でも、凄いでしょ?ドラゴンなんて見た事ないでしょ?」
「そ…そんな事……!!ありますぅ……」
ついムキになって、ドラゴンを見た事があると言いそうになってしまったが、それは言って良い事ではない、間違えればこのプールの底に沈むドラゴンのように火内が……
「正直な子……ドラゴンに会った事があるのね」
「…………」
空気が重くなる……清潔な白い部屋が淀む……静かな空間で耳鳴りがする……何を勘付かれたのか……何をしでかしたのか……
自分がRLHというのは、軍で認識されている以上、話が流れて違う部署の人間が知ってしまうのは仕方無いが……火内だけは、自分達しか知らない話……やらかしたのは自分……
自分のしでかしたミスを抹消するために、目の前の白衣の女性を始末しようと、指がピクピクと蠢く……
「大切な彼……でも気付かなかった……眠っていたから……」
「…………」
細い首に指を掛ければ、絞め上げる事も、骨を折る事も出来る……
「彼も私も……」
リナの指が、白衣の女性の柔い首に触れて……
「お互いに眠っていて…息を潜めて……」
心の赴くままに、白衣の女性の首を絞め上げ……指が彼女の首に喰い込み、彼女と目が合うと……
「気付けなかった……」
「…………⁉」
彼女の目が、ドラゴンの瞳に変わっていた。
それは火内から教えて貰ったのと一緒。
赤いカラーコンタクトをしているのは、青い瞳を隠すためだけではなく、ある日を境に強く興奮すると、瞳が爬虫類のように楕円形になるから、それを隠すためにもカラーコンタクトをしていると。




