ハブ酒17
何だか事情が分かって来た。
訓練用の工事中の建物から避けて避けて来たから、訓練用ではない工事現場……軍が所有している施設に来てしまったのだ。
「……どうしよう」
このウェットスーツは監視カメラを駄目にする物、それは一時的に映らなくなる、または映っても訳の分からない影が映る……文字通り異常をきたす……そうなれば、何かがあった事がバレる。
「どうしよう……」
それは承知の上で使ったのではと思うかもしれないが……それはその通りで、承知の上で使った……のだが、それは学生相手と一般人に対してだ。
軍相手に、喧嘩を売る為にではない。
しかし、特殊任務用のウェットスーツを着て、軍の秘密施設に入り込んでは……そうは思って貰えな……
「私の方で、何とかしておく」
「あっ……」
「それ息苦しいだろ?外に出るまでは大丈夫だから」
白衣の女性が、リナのマスクに手を掛けて外す。
「綺麗な朱色の髪……それに瞳も綺麗……」
「あのっ……」
「ちょっとだけ、付き合ってくれるかい?」
「あのっ……!!」
手を握られると、そのまま給湯室から連れ出される。
一体どこに連れて行かれるというのか……悪い人では無いと思うが、リナは不安を覚えるのだが、
「ここに、地下に通じる通路がある」
「はっ…はい……」
白衣の女性は楽しそうに、リナを軍の秘密施設へと連れて行く。
白衣の女性に連れられて来た、秘密施設の中は工事中の建物と打って変わって、白を基調とした無菌室を思わせるような場所。
大理石のような真っ白な壁に床に天井……それに真っ白な光を出すライト……全てが真っ白で、ここが普通の施設では無いという事を感覚に訴えて来るのだが、
「居心地悪い?」
「いえ…そんな事は……」
その清潔さをアピールする白さは、新生児室を彷彿させる。
(何かいるの……?)
色覚から清潔である事を望まれている施設……そんな施設の奥にある物とは……
「さぁ、ここへ」
白衣の女性に連れて行かれた先にあった、一つの部屋に案内されてそこに入ると、
「ここは……なんでこんな所に!?」
そこには、青い液体に満たされたプールの中に、一体のドラゴンが保存されているのであった。




