ハブ酒16
「何なんだろうアタシ……」
RLH…人類の希望……それは自分の誇りでもあったが、その誇りが揺らぐ。
「ツバメが見たら…笑うかな……」
優等生という訳ではないが、周りから一目も二目も置かれているツバメ……ツバメなら、この水断絶も意気揚々と……
「私は笑わない」
「えっ?」
突然、声を掛けられて顔を上げると、白衣を着た女性が、自分の前に立っている。
「あっ…あぁっ!?」
姿を見られてしまった……リナは慌てて、その場から逃げ出そうとするが、
「水断絶…懐かしい……大変だ」
「えっ?あっ…はい……」
慌てふためくリナを落ち着かせるかのように、白衣を着た女性は、自分も同じ苦労したと優しく声を掛けながら、リナの隣に座るのであった。
「喉乾いてる?」
「いえ…今は大丈夫です……」
「それは良かった、何せここには水が無い」
「うっ…やっぱりそうなんですね……」
水が出ない蛇口が物語っていたが、釘を刺されるように、ここの工事現場の人に水が出ないと言われてしまっては、もうどうしようもならない。
「お騒がせてして、申し訳ございませんでした……」
リナは侵入した事を謝ると、その場から立ち去ろうと立ち上がり……
「待て」
立ち去ろとした所で、白衣を着た女性に手を掴まれた。
「あっ…見逃して貰えませんよね……」
穏やかな空気に流されていたが、自分は侵入者で、彼女は施設の人……全身を覆い隠しているから、手を振りほどけば逃げれるが……一般人相手にそれをしたら小此木から、怒られるかもしれない。
「……すみません、放して頂けませんか?あなたを怪我させてたくないんです」
だけど……軍の特殊任務用のスーツを着てしまっている。
ここで捕まれば、みんなに迷惑を掛ける所の騒ぎでは無く、それこそ小此木にもの凄く怒られる。
小此木に言われた事を無視して、女性の手をはたこうとするのだが、
「そう…RLHを相手にしたら怪我をする」
「えっ?」
白衣を着た女性が自ら手を放す。
これでリナは逃げ出す事が出来る……というにはあまりにも短絡的な話。
自分の事をRLHと呼んだ白衣の女性から少し距離を取り、何者かと警戒したが、
「あなたは……」
「私というより、ここは軍の秘密の施設……悪い奴等だ。ちゃんと張り紙をしないから、間違って入り込ませてしまったのだから」
「軍の施設……?」
彼女が何者かというより、自分がやらかしたというのが正しいらしい。




