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ハブ酒14

体から電波を発して、監視カメラ等の電子機器を狂わせるというコンセプトの下で作られた特殊なスーツ。



相手から見えなくなるという、ステルス迷彩の機能がある訳は無く、人間の目に止まれば全身真っ暗な服装な奴がいるとバレてしまうが、



「行って来るね……」



そこはリナの身体能力がある。



ポリタンク片手に、寮の壁を飛び越えて裏通りへと逃げ込む。



電力の節約のために裏通りは意外と暗く、静かに寝息を立てている街と合わさって、裏通りは森の中のようにひっそりとしている。



街灯がある表通りは避けて、光があまり届かない裏路地を走る。



足音を立てないように作られているゴム底で、地面を感じながら小走りに走っていると、



(……いる)



ひっそりとしたコンクリートジャングルの中を闊歩する者達がいる。



闇夜に溶け込む服を着ているが、それでも身を隠して敵の武装を確認すると、



(カメラとビデオカメラか……)



手にはカメラとビデオカメラがある。



あれに素顔を撮られたら一発でアウト……だが、このウェットスーツを着ているのだから、闇に紛れて始末してしまえばいいのだが、



(絶対に暴力を振るわない事。僕達は、寮から抜け出してはいけない時間に抜け出し、水を窃盗しに行く犯罪者……これが大前提だという事を忘れない)



小此木からの言葉が、リナの脳裏を(よぎ)る。



本当に切羽詰まれば、相手を捕まえるとかするのかもしれないが、今はまだ強行手段に出るなという話。



(命拾いしたな……)



リナは、コンクリートジャングルの中を闊歩する間抜けな兵士を恨めしそうに一瞥してから、別のルートを探る。



端末に映っていた工事中の個所を見て回ると、必ず見張りの兵士がいて、周りを巡回している兵士もツーマンセルという徹底ぶり。



(あっちも本気か……)



全て小此木が言った通りであった。



自分は、相手の主要基地を叩く襲撃者で、相手は、主要基地の護衛の兵士。



どちらも必死。



こちらは生きるのに必死で、向こうは成績の為に必死……



(初日から取りに行くマヌケがいてくれれば楽だけど)



始まって間も無い訓練、敵の注意力もまだ十分にある……小此木はしっかりと算段していた。



「…………」



ならばと他の所も思っていたが、他の建物の裏戸や壁には『侵入者は即通報!!水泥棒厳禁!!』という、あからさまに今回の件に付いての警告のポスターが張り出されている。

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