ドラゴンフライ19
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『ドゥルルルルルルル!!!!!!』
『ふほほほほ怖い怖い!!!!!!』
「くっ……この……機体の操縦だけじゃ、どうにもならねぇ……」
D兵器の操縦には自信があるが……壊れているとまでは言わないが、不調を訴えている。
正直、D兵器を飛ばして追い掛けるだけでも、難儀しているというのに、飛びながら狙い撃つとなると、話が絶望的になる。
敵が並みの相手なら、機体の動きの調整で当てられるが、
『どこを狙っておるのかのぉ?そのままでは撃っても当たらんぞ?』
「舐めやがって!!!!!!」
『ドゥルルルルルルル!!!!!!』
オウムガイの怪物は、こちらのマナを感じ取って、弾の着弾点を感じ取っている。
ただでさえ正確に狙えないのに、そこにマナを感じ取られるものだから、D兵器の腕を伸ばすだけで、
『しっかりと狙わんのかい?』
オウムガイの怪物は、回避行動をして捕らえる事が出来ない。
「ガトリング砲の角度調整をしろ!!!!!!」
『設定を調整しました』
『ドゥルルルルルルル!!!!!!』
アシスタントシステムに命令をし、ガトリング砲の調整をするのだが、
『明後日の方向を、向いているではないか?』
「くそっ!!!!逃げるんじゃねぇ!!!!」
位置が間違っているのを直しているのではない、あくまでも銃口の向きを変えているだけで、これでは根本的な解決にはならない。
接近戦でクローを叩き付けてやりたいが、
『ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ!!!!!!!!!!!!』
地上を走る、オウムガイの怪物の方が小回りが効いて、追い付けない。
「くそっくそっくそっくそっ!!!!!!!!」
いつもの万全の状態なら、間違いなく追い付いて、地面に叩き付けて始末している。
「限界値が、こんなにも低くなるのか!!!!!?」
カノン砲をした後に、整備のために戻る移動と、カノン砲を使用した後に、敵を追うのとでは話が違い過ぎる。
D兵器が悲鳴を上げている……様々な機器から、警告が鳴る……このままでは、壊れてしまうと。
「何か手立てを!!!!」
このままでは、人がいるエリアに行ってしまう。
『急いだ方が良い、あれは「力」を失っているが、それでも人を喰らえば厄介な存在になる』
あの時の、もう一体のオウムガイの怪物を相手にしてくれた人物が言っていた言葉が、脳裏を過る。