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ドラゴンフライ17

『ええぃ!!!!近付くではない!!!!』



指を伝って来る原人を追い払おうと、指を(うごめ)かせるのだが、



『どうしようも、ないだろ?』



原人が伝って来る指だけが、動かない。



指が一本だけ硬直して、固まってしまって……そこだけがまるで丸太になったようで……



『一筋の雷撃でも、戦い方を考えれば十分に効く』



『さっきのか!!!?』



小さな雷、それはオウムガイの怪物を焼き払う程の力では無かったが、触手の一本を駄目にするには十分な力を秘めていた。



『ならば、振り落せば良いだけの話!!!!』



それならばと、先程、原人を振り落としたように身体全体を動かして、登って来る原人を振り落とそうとしたが、



『速い!!!!』



原人の言う通り、指先をクチュクチュさせながらも、走っていたオウムガイの怪物の速度が相まって、原人は既に、オウムガイの怪物の指先を登り切っている。



『力の使い所だ!!!!!!』



原人の体が雷によって発光し、そのまま拳を突き出すと、



『ぐぅおぁあおあぁあぁあぁあぁぁぁぁ!!!!!!!!』



オウムガイの怪物の顔を貫く。



『力の使い所を間違えるから、そうなる』



最初の奇襲の一撃を撃ち込んだ時は、まだ、オウムガイの怪物には「力」が残っていた。



残っていたから、一撃で貫く事が出来なかったが、残り少ない力で死のステップを踏み、紫の液体を吐き出したものだから、簡単に貫かれてしまう。



『ズッッ……ズゥゥゥンンン………………』



顔面を貫かれたオウムガイの怪物は、その場に倒れ込むと力無く倒れ込む。



釣られたイカのようにぐったりと、さっきまで動いていたのが嘘のように。



これで一体目のオウムガイの怪物は死んだ、後はドラゴンを模した兵器が、もう一体のオウムガイの怪物を倒せば、鳥かごでの話は終わる。



原人は、ゆっくりと歩き出して、オウムガイの怪物の横を歩いて、



『グチュ!!!!』



『ぐぅぉ!!!!!?』



一本の指先を突然掴むと、そこから顔が浮かび上がる。



『言ったじゃないか……力の使い所を間違えるから、そうなると……』



『ぐっ……ぐぅあぅぅ…………』



『さっきから、お前達の様子を見ていたのだから、分かるに決まっているだろ。お前達が顔を潰される前に移動しいている事を』



まるで首を絞め上げられているかのように、くぐもった声を怪物の顔が上げる。

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