ドラゴンフライ4
今度もまた、民間人を人質にした行為。
二度目の行為だが、それでも受けざるを得ない、この攻撃をどうにかしなければ、多くの人が死ぬ。
『ブチュブチュブチュブチュブチュブチュ!!!!!!!!!!!!』
『キサマは何回耐えられるかな?』
怪物にとっては好都合な技、相手には、この攻撃を受けさせて霊力を減らす事が出来る上に、相手が応じなければ、街を焼いて人の死を吸収出来る。
『ブチュブチュブチュ!!!!!!!!!!!!』
腹に力を溜めて、ドラゴンを焼き殺そうと……
『ブチュブチュ…ブチュ……』
『なんだ?』
ドラゴンを焼き殺そうとしているのに、力が溜まらない。
『……終わりだ』
『なに?』
『気付かないか?周囲を見てみろ』
『周囲だと……これは!!!?』
両肩にある顔が、ヒラメとカレイのように、ギョロギョロと目玉を動かして周囲を見渡すと、周囲は無色透明の世界。
別に何かのゾーンや、領域に入った訳ではない、普通の環境なのだ……あれだけ紫の液体を壁や地面に叩き付けて張り付けたのに、周囲に変化が起きていないのだ。
『なぜだ!!!?』
『何が起きている!!!?』
両肩の顔は、自分達の有利な環境を創れていない事に、何が起きているのかと驚いていると、
『こっちの準備は終わったぞ……卑怯と言うまい、同じだけの時間を与えたのだから……』
火内は、ドラゴンの敵討ちと言わんばかりに、ドラゴンに投げ掛けた言葉をそのまま怪物に返す。
翡翠の光の輝きが増して、力が蓄えられていく。
『…………そういう事か!!!!!!』
『小賢しい真似を!!!!!!』
ここに来て怪物は、有る事に気付く……それは自分達がしたのと同じように、ドラゴンも、
『えぇい散れい!!!!!!』
壁や地面に、小さな翡翠の蝶を張り付けていた。
ドラゴンが距離を置いて飛んでいたのはこの為、汚染された環境を正常に戻す事で、魂達と会話をしやすくするため。
怪物は、火内の意図を読み取るのが少し遅かった。
『落ち着いたこの状況でなら、死んだ人達の魂も、耳を傾けてくれる人は多かったよ』
少し色を失っていた翡翠の羽に輝きが戻っている。
『えぇい……そんなモノ!!!!!!』
怪物は、大きく太々とした腕を大きく振るって、周囲に留まっている翡翠の蝶を追い払い、
『いくら翡翠の力と言っても、肉弾戦をどうにか出来る訳では無いだろうに!!!!!!』
『…………』
そのまま腕を振るって、火内の事も追い払う。




