表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/154

ハブ酒104

『ギィィイイィィギギギチィイチチチチチチチチ………………』



互いの「力」が、ぶつかり合った瞬間から、ドラゴンの白銀の光が削れてしまう。



金メッキが削れるように、無地のドラゴンの肌が露わになってしまう。



『ここまでのようだな』



所詮(しょせん)は、偽りの霊能者という事』



紫の雷を防ぎ切れないドラゴンに、怪物は、さよならの言葉を投げ掛ける。



霊力を補給する術が無いドラゴンに、この状況を打開する方法は無く、このまま殺されるのは時間の問題で、



『どうやら、我々が消えるよりも先に、キサマが息切れをするのが先だったようだ』



『はぁ……はぁ……はぁ……』



怪物の言う通り、ドラゴンは持てる力を振り絞っている。



白銀の光が削られて、元のドラゴンに戻っていき……



『パッッッ……キィィィィィィィイイィ!!!!!!!!!!!!!!』



闇夜に、一際甲高い音が鳴り響くと同時に、白銀の光が砕けて散らばると、青いドラゴンが堕ちていく。



『終わったな……』



力を失ったドラゴンは、無気力に地上へと堕ちていく。



『喰らうか』



『喰らおう』



両肩に浮かび上がった顔が、それぞれに舌なめずりをし、



『今以上に強くなってしまう』



残された龍の首が、呼応して紫の涎を垂らす。



余程、ドラゴンの漬けられた保存液が甘美で、ドラゴンの肉がスイートであったのであろう。



落下して来るドラゴンが、地上に叩き付けられて、柔らかくなるのを今か今かと待ちわびる。



________



(……出来るだけの事はやった)



(はい……)



それは二人にしか聞こえない会話。



(君の眠るドラゴンの力を無理矢理に目覚めさせたが、すぐにでも、また眠ってしまうだろう)



(はい……)



それは、体の中で眠っていたドラゴンとの会話。



(私の目的は、亡き友との約束を果たす為)



(自分は、また友と会う為に……)



ドラゴンの体は地上へと落下していく。



(そうだ、その願いはいつか、私の願いと混ざり合う)



(はい……)



貰った霊力を使い果たしたドラゴン……だが、ドラゴンの(まぶた)が動く。



(これは、せめてもの礼だ……使うと良い)



(あなたは消えるのですか?)



(君の中の私は消えるが、私の欠片はまだある)



ドラゴンは少しだけ笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ