小さな出会い
小さな出会いはときに人生に大きな変化をもたらすかもしれません
最近色々なことが起こりすぎた.....
高校生になって初めての顔合わせから周りが友達を沢山作っている間私は何も出来ずただ立ち尽くすだけだった。
このままでは中学校と全く同じ末路を辿ってしまうそんな不安を抱えながら毎日のように床に就く日々だった。
ある日親戚のおばあさんの3周忌とのことで田舎のおばあさんの家に集まることになった。
正直親戚の集まりというのは苦手だ...なぜならそこで繰り広げられる会話のほとんどが子供がどこの学校に行ったと言った所謂自慢話だからだ。私の行った学校は頭のいい学校ではなかったため、親戚の子供がすごく頭のいい学校に行ったという話を聞く度に親に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
滞りなくお経を読み終えお坊さんの一言をもらう一通りの流れを見つめながら早くこの場から『逃げ出したい...』と思うばかりであった。
食事などが終わりふと外を歩きたいと思った私は親にその旨を伝え親戚の家を出た。
かなりの回数来たはずだったその場所も1人で歩くと全く違う景色に見えた。いつもは感じることもなかった風の気持ちよさが、鳥の鳴き声が、その時の私の心を潤し癒してくれた。少し歩くと小さな駄菓子屋さんが見えた。その駄菓子屋はおばあさんが1人だけで切り盛りしていた。
「いらっしゃい」
おばあさんがとても落ち着く声で言った。
並ぶお菓子や駄菓子屋特有のおもちゃの数々を見ていると小学校の頃遊んだ数々の思い出が湧き出てくるようだった。
お菓子を数十点買い心の中で『 これが大人買いだ』と少年心を思い出しワクワクしていると1人の少女が駄菓子屋の外のベンチに座っていることに気づいた。
少女はどこか俯瞰したような目で遠くの森を見ていた。
「何をしているの?」
できるだけ優しい声で聞いてみたすると少女は驚いた顔をした後笑顔でこう言った
「森の声を聞いてるの」
よく分からなかった。森が声を出すわけが無いと思っていた私に少女はさらに
「あなた誰か大切な人を亡くしたの?」
と聞いてきた。確かに私は叔母を先週亡くした叔母は私が辛かったときや苦しかったとき沢山相談に乗ってくれた。
今思えばその時いちばん辛かったのは叔母だったはずなのだ愛する人に裏切られ、腹を痛めて産んだ我が子すらも旦那に引き取られた。そんななか私の相談に沢山乗ってくれた叔母には感謝してもしきれない。
そんな折叔母は薬を大量に飲んで自殺してしまった....
夜中に父に起こされ急いで行った病院でもう動くことも無くなった心電図とおばあちゃんそして母の鳴き声に嫌でもこれは現実なのだと思わされた。
死んでしまい冷たくなるはずの手がほんのり温かいことにギリギリまで泣きながら握ったであろう姿が今でも脳裏によぎる。
「とても大切な人を亡くしたよ。私はギリギリまでその人の異変に気づくことすらできなかったんだ」
後悔が頭をよぎる中そう口にした。
「森や自然はたくさんのことを見ているんだよ」
少女はそっと言った。
「人間にはたくさんの困難が降ってくるんだって」
そう言いながら少女は自分の隣に座るよう私に促した。私もそれに答えるよう座り買ったお菓子を並べた
「食べてもいいの?」
そう無邪気に答える少女に私は出会って初めて年相応だなと感じた。
「いいよ」
頷きながらそう答えると少女は目を輝かせながら買ってきたお菓子を開けていった。
「それでねたくさんの出来事を乗り越えた先にそれを『人生』って言うんだって」
とても少女が言うような内容ではないことに驚きつつも私は黙って話を聞いた。
「パパが言ってた」
少女は美味しそうにお菓子を頬張りながら言った
「あなたもそうなんでしょ?森たちがあなたのことを心配してた」
「君は森の声が聞こえるの?」
「うん!!」
とびきりの笑顔を見せ少女は答えた。
「森の中で育ったんだ〜だから森の声も聞こえるし人間の小さな変化すらも気づいちゃうの」
食べているものを口に着けながら少女は言った。
「辛かったでしょ?今までよく頑張ったね!!」
そう言って少女は私の頭を優しく撫でてくれた。
その瞬間私は自分の中で抑え込んでいたものが溢れ出してきた。
気づけば私は少女の前で涙を流してしまった。
「あなたは森に、周りの人に愛されてるよだからどんなに辛いことがこの先待ってても大丈夫!!」
少女は笑顔で言った
「また辛くなった時は今日のことを思い出して私はあなたのことをずっと見守ってるから!!」
私の目を見て言ってくれた言葉に私は感動した。
「これからもあなたには小さな出会いが沢山待ってるからどれも大切にしてね」
少女はそう言って私の手にあるものをのせた。
そこには『おまもり』と書いてあった。私はそれを見て少し笑った。
「初めて笑った!!」
少女は無邪気にそう言うと少女も笑って
「お菓子美味しかった!!ありがとうまた遊びに来てね!!」
そう言った。涙を拭く一瞬の間に少女はどこかへ行ってしまった。
「あの子と話したのかい」
そう言って駄菓子屋のおばあさんが出てきた。
「あの子は何者なんですか?」
おばあさんは少しはにかんで
「分からんよけど随分とあんたを気に入ったみたいだね〜」
と少し嬉しそうに行った。
その後親戚の家を出て家に帰った少女とあったことは親にも話さなかった。
次の日の朝を迎え私はいつも通り学校へ行く支度を済ませ家を出た。
いつもと同じ通学路、いつもと同じ学校なのにこんなにも気分が澄んでいるのはきっとあの日出会った少女とあの日見た自然そして今も大切にカバンの中に入っているこの暖かな『 おまもり』のおかげだろう。
初めて書いた小説です誤字などがあるかもしれません感想など書いてくれると嬉しいです