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プロローグ3 「勝原優子」抹殺計画

 優子(ゆうこ)は既に危険視される存在であり、憎しみや恨みを受ける存在であった。優子の悪いうわさが広がれば広がるほど、喜ぶ団体もいたし、ただ純粋に「勝原を殺す」を目的として活動している団体や個人の人間もいた。それは主に首都圏で起こっていた。そして優子はそれも重々承知で首都圏へ足を踏み入れた。それには理由があった。勝原智也(かどはらともや)の情報、そして能力者関連の情報、団体、何より「特殊能力者捜査局」の人間に会うためだった。

 そこに行けば何か突破口が見えるかもしれない。勝原智也の情報が手に入るかもしれない。もうそれだけのために生きても良いかもしれない。そう思っていたからだ。しかし優子が首都圏に入ったという情報は瞬く間に広がり、団体や個人は首都圏に集結した。それに乗じて、何か大きいこと起こそうとする全く関係のない武装団体までも動き出し、首都圏は混とんとし始めていた。

 優子は東京に着き、街中を歩いていると、知らない男に声を掛けられた。

「勝原優子」

 優子はそれに振り返ると、急に太刀を振り下ろされて、首が切られそうになった。しかし優子は理解していた。自分の中にある力。それは怪力などではない。あの高校での事件で理解した不思議な能力。それは自分に向かってくる危険な人工物に対して全自動で発動した。

 太刀は一瞬にして花びらに変わり、男の手には、花びらの塊だけが残っていた。

「なんだこれはーーー!」

 と男が叫び、銃を取り出し、優子に向けて撃った。その弾丸さえも優子に到達する前に花びらに変わり散っていった。

 優子が念じると、男の持っている銃もすべて花びらに変わり、銃は消え失せた。

 男は恐怖に染まった。そして終いには拳で殴り掛かってこようとしたので、優子はそれをよけ、服を掴んでそのまま壁に放り投げた。

 すると向こうの車から、何人も出てきて、優子に向かって射撃を行った。こんな日本で物騒なものであったが、もはや首都の治安は壊れている。能力者時代から治安などとうに崩れていた。そんな状態の治安を守る特殊部隊も存在していた。

 いずれにしても優子の前では銃弾などきかない。すべて花びらに変わってしまう。優子はその集団にゆっくりと歩いて近づき、一人ずつ車に向かって放り投げて、車のボディをへこまさんとするほどの衝撃で相手方を再起不能にさせていった。そんな風に次から次へと襲ってくる者たちを優子は制圧していった。優子は車の運転をしたことはなかった。だから、優子は敵方の車に乗り込んで、運転手に向かって、運転してみて、と頼んだ。相手は優子に恐怖していう通りに運転した。優子はそれをしっかりとみて、「じゃあもういいわよ」と言って相手を投げだした。優子はその車で混とんとするその場を離れた。優子は一度見たもの、学んだものは完璧に思い出せる、そして実行できる超人的な力も持っていた。車を運転して優子は敵を振り切るが、タイヤを撃たれては走行不能となる。それなので乗り換えてはまた敵を制圧して車を調達しを繰り返した。

 それを数日繰り返した。

 その気に乗じ、謎の団体が発起するなど、首都圏は混とんを極めた。政府の特殊部隊もでて、特殊部隊はその団体と勝原優子の制圧を目的とした。

 優子はそんな中、なかなか目的の場所へたどり着けず、優子を狙う団体からも、武装団体からも、政府の特殊部隊からも狙われる状況になる。しかし優子はそれをすべて制圧、振り切る。そんな中、政府の特殊部隊の中にも影が見える。利権や優子に対する制圧ではなく抹殺を要求する指示。政府特殊部隊とは思えない闇の部分を垣間見える。

 優子は最終的に特殊部隊の一部の者と協力して、武装団体や優子を狙う団体、そして特殊部隊の闇の部分の制圧に取り掛かった。しかし特殊部隊の闇は結局、それこそ闇に葬られたまま。優子と優子に協力した一部の特殊部隊の隊員は特殊部隊の本部隊によって追い詰められた。

 そこへ特殊能力者捜査局が乗り込んできたのだった。

 局長の名を斎藤助安(さいとうすけやす)という。傍らには中村高次(なかむらたかじ)という者もいる。この二人と、ほか数十名がその場を収めた。特殊部隊については特殊能力者捜査局が捜査することになった。

 これにて優子の首都圏での大波乱の時間は終わったのだった。


 これが勝原優子の一連の過去である。

 簡単になってしまったが、ここから勝原優子の新たな人生が始まろうとしていた。


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