(00-01)黒池大介さんは
(00-01)黒池大介さんは
「毎日々、午前9時から午前4時までだもんよぉー。とはいえ、今週の分はお仕事終わりー、とっとと帰るべ。本気疲れたぁー」
一週間の仕事を終え、帰宅の道すがら独り言を呟いて、眠気と戦っている最中。お疲れさんである。
「おっ、もうこんな時刻か?」
点けていたラジオから”歌え前照灯”がパーソナリティの爽やかな声と共に始まった。
「”午前四時に聞きなさい”もお馴染みになったねぇ〜、聞いているだけだけど」
そう、一日の終わりにいつも聞いている番組(一日か?)であった。ラジオを聞きながら、ぼぉ〜っと(運転中なんだが!?)ハンドルを握っていると、突然ハンドルが取られ始めた。アイスバーンでもあるまいに、ふらつき始めたのである。
「うぉーっ!なんだこれ、車壊れたか?…あ、地震かっ!止まらないと、後ろはどうなっている」
後方を見ようとした途端、爆発音が聞こえてきた。
「どわぁー、後方から龍滅炎弾(ただの揮発燃料車の引火爆発です)!」
これはまずいと、停車する事を忘れ(止まれないよね)前方に目を向けると
「前面上方石礫瀑布ぅー!(不幸にも天井の崩落です)」
はいそうです。お気づきかもしれませんが、こいつは所謂中二病と言うのに罹患しています。自覚はないみたいですけどね、これは治りそうもありません。右に左に蛇行を繰り返し、なんとか崩落を回避したと安堵したら、またもや前方から爆熱風。
「あ、なんか頭がぼぉーっと、あれ?体が動かない、あ…空気ない。えっ?ちょっとぉ〜!…死んじゃ…?俺…出落ち?………………………」
「続きまして、本日未明東海地方を襲った大地震により、高速道の各地で起きた道路寸断、トンネルの崩落で発生したと思われる爆発事故等により多数の行方不明者が発生、現場は混乱を来しており、復旧の目途は立っていない状況です…」