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その2の3

「で、なぜにアタシらは寝ることも許されずこのようなことをしているのかな?」

 と、茂みにしゃがみこんで隠れながら、メフィはそばにいる良平に尋ねた。

 本心から言えば帰りたい。が、マスターの命令には一応服従が、メフィの体に刻まれたルールだった。

「灯夜をあっと言わすんだろ。そのために隙をうかがってるんじゃないか」

 茂みの隙間から向こうには、灯夜の家、『メゾン・ニューハイツ』が見えた。

 メフィの両手にはどこからか折ってきた木の枝が二本それぞれの手に一本ずつ。それは良平も同じだった。

 目の下には深々と掘り下げられたくまがあった。どうやら、一睡もせず、ここでメゾンを見張っていたらしい。

 ヒマとしか言いようが無い。

「それじゃあ寝てる間でいいじゃないの」

「それじゃあ不法侵入だろうが。一番リラックスしてるときを狙うんだよ」

 へぇ、とメフィは感心した。

「あんた、犯罪行為しても気にしそうに無い人間だと思ったけど、違ったようね」

「いや、やったら自分が抑えられそうに無くてな。羨ましさにかまけて寝込みを襲って撲殺しちまいそうだったから」

「ああ、そう」

 感心した自分がバカだった。と、メフィは自分をなじる。

 躊躇の範疇が違っていた。

「だから起きて警戒してないときを狙おうって? コスいわねーアンタ」

「やかましい。だって悔しいだろう?」

「そりゃあ……」

 外見で負けてるつもりは無い。しかし───。

 思い返すのは昨日の晩見た褐色肌の女の形のいいバスト。

 ソレを思い返しながら、自分のぺたんとした胸を見下ろす。

 月とすっぽんといえた。

「……、悔しい」

「な?」

 利害が一致したことに、笑みを浮かべる良平。

 そうして監視を続けようとする、が、そのとき良平の目が大きく見開かれた。

「……群雲に、会長!? それに……」

 良平の視界に映ったのは、接点のなさげな二人と見覚えのある赤茶けたスーツの女性。

 あのスーツの女性、たどり着けたのかという念よりもまたべつのぐらぐらとしたものが良平の胸に落とし込まれる。

 ぎりぃッと良平の奥歯がかみ締められた。

 群雲はリサーチの結果相当な美少女だと良平は知っていた。むしろ、狙っていた節もある。

 奏会長にいたっては性質面が厄介なだけで外見は言わずもがななミス反町高。

「あんにゃろう……、どんだけ、どんだけハーレムなんだよ……!」

 血の涙まで流しそうな勢いで反吐を吐くようにつぶやく。

「どうする? 突入する?」

 というメフィに、それでも良平は冷静だった。

「メフィ、オマエ、破壊専門の願いを叶える使者だよな?」

「え、そ、そうだけど……」

「一番いいタイミングは俺が出す、慈悲無く、造作なく、遠慮なく、灯夜を葬れッッ! 苦痛を与えんのが最後の譲歩だッッ!」

 その血走った瞳は、本気と書いてマジと読んだそうだ。






「失礼します」

 と、ハイヒールを脱ぎながら、そのスーツ姿の女性は、メゾンへと上がりこんできた。

 応対に出たのは俺だけ。ほかの5人と一台は二階のキッチンで朝食中。

 そういう場合男がいけということで、俺が回されたわけである。

 なんつー男女差別だ。しかし数は向こうが上、数の暴力に屈する形で、俺は応対役を受け持ったわけだ。

「へー、中はこうなってたんスね」

 初めて家に上がりこんだ群雲は感嘆の声を上げる。まぁ、ウチは確かに珍しい作りだとは思う。

 一階は茶の間とそれぞれ宿泊用の施設。二階には共同風呂と共同キッチン。

 そんじょそこらにゃ無いつくりだろう。

 対して、小さいころに来たことのある奏さんは懐かしそうに周囲を見回していた。

「少し変わったか?」

「リフォームしたからね。さ、コッチが茶の間」

 三人に声をかけ、畳部屋へ案内する。

 そこは中心にテーブルがあるだけの、簡素な客間だった。

 手早く、押入れから座布団を4枚取り出し、テーブルの四方に備える。

「さ、どうぞ」

「うむ、すまぬな」

 と、奏さん。

「どもッス」

 とは群雲。

「これはご丁寧に」

 とそれこそバカ丁寧で答えるスーツ姿の女性。

 三者三様で、席に着く。

「それじゃ、菓子持ってくる。ゆっくりしててくれ」

「あいや、菓子はいいです。それよりも、お話を」

 いたって真面目な顔をして、スーツ姿の女性は俺を引きとめた。

 しょうがないから俺は自分の位置に座りなおす。

 彼女は自らのスーツの内ポケットに手を突っ込んだ。

「あ、ワタクシ、こういうものです」

 そうして俺に手渡されるのは、名刺。

 そこには、私設探偵、サラ・ラサラ・サラサと、明朝体で印刷された名前があった。

 ん? ちょっとまて。サラ・ラサラ・サラサ……。どこかでコレと似たような名前の形式を見たような気がする。

 そんな風に思考を探っていた時、俺のひじを小突く、奏さん。

 その顔は少しばかり緊張していた。

 そのまま、彼女は耳打ちしてくる。

「灯夜、囲まれているぞ」

「はぁ?」

 なにを馬鹿な。アンタあれですか。

 曲者ォー! とかやるお殿様ですか。似合ってるけど。

 不自然なコソコソ話はなお続く。

「はぁ? とはなんだはぁ? とは。この家一帯、囲まれているといっているんだ」

「なぜに?」

「そんなこと私が知るか! 私が忠告しているんだぞ、それともなにか? 私の忠告は聞けんというのか!?」

 ああ、マズい。このパターンは……。

「そりゃ、私だって気が付きたくないものとかいっぱいあるさ、よそよそしくなった会計係の態度とか、記録係のやる気の欠如とか、みんなのサポートをするのが会長だってわかってる! だがな、立場だけじゃどうにもならんのだ! 人心をつかめるカリスマなんてそう易々と身に付くものじゃない! そして私はな、気が付いてしまうんだよ、そういった些細なことに!」

 いきなり話が反町高生徒会の内部事情にシフトした。

 ヒートアップしていく彼女の語りは、もはやひそひそ話の範疇に無かった。

 なかなか苦労しているようではあるが───

「いや、それこそそんなこといわれてもな?」

「判らんか!? ああ、そうだろうとも、判らんだろうさ! 人の上に立った人物の苦悩など、立ったものにしか判らん!」

 それはつまり俺はずっと下っ端の苦労しか知らないということか。

 こういうモードに突入した奏さんは時々カチンと来る。

 が、ここでその話に乗っていたら進む話も進まない。

 第一泣いてる女性に対してこれ以上息を荒げるのも、なんとなく大人気ないしみっともない。

 ちらりと黙ったままの群雲に目をやるも、彼女はカコカコと携帯をいじってて、コッチに見向きもしなかった。

 我関せず。

 対応、うまくなったな。と関心していてもしょうがない。

「どうどう、奏さん、どうどう。後でアイスあげますから」

 物で釣る事にした。

「ハーゲンダッツで頼む!」

 びーんと取り出したハンカチで鼻をかみながら、ワンランク上のブツを要求してくる。

 クソッ、高くついた。足元見やがって。

「話を元に戻してよろしいか?」

 と、スーツ姿の女性、サラさん。

「ああ、大丈夫ですよ。で、探偵さんが俺に何のようで?」

 探偵といえば殺人事件か浮気調査と相場は決まっているだろうが、そのどちらにも俺は身に覚えなど無かった。

「実は、ある人を探しているのです」

 人? と俺が疑問符を浮かべている間に、彼女は懐から一枚の写真を取り出した。

 そこに映っているのは、ネコミミ姿で褐色肌の───

「あー。アーシェ総帥じゃないですか」

「ほう、ご存知で」

「そりゃ、一緒に住んでますからね」

「ほほう……?」

 ぴくんと、サラさんの眉が跳ね上がる。

「一緒に住んでいる、ということは、手を触れ合ったりとかは……?」

 ふと、先ほどの火傷の手当てが思い浮かぶ。

 そういえば、触れ合うといえばあれもそうなるか。

「ええ、しましたよ」

「よし、確保」

 ガシャアアアアアアンッッ!

 突如、ガラスが割れる音が響いたかと思うと、窓を蹴破って、幾人もの特殊部隊然とした装備の女兵士たちが出現する。

 彼女らは一糸乱れぬ動きで俺に向かって銃口を向けた。

「はぁ!?」

 一体どこに居たのかと思い、現れた彼女らを観察する。

 全員ネコミミにしっぽが生えていた、そして女性のみ、つまりはナコタナコタ人であろう。

 中には向こう側の景色から出現しているように見えるものすら居た。

 もしかしてあれですか? 高額明細、もとい、光学迷彩ですか?

「いわんこっちゃない!」

 勢い急いで、プリーツスカートの中から伸縮式痴漢撃退用スティックを引っ張り出す奏さん。

 一度フォン、と振るとジャキンと銀のパイプ状の刃に相当する部分が伸びた。

 構える、しかし、ソレまで。

「動くな! 秋月灯夜がどうなってもいいのか!?」

 サラさんの一喝で、奏さんは動きを止める。逆に、現れた女兵士たちは俺に向けて改めて銃口を向けなおした。

 そんな中にあっても、群雲は我関せずといった様子で、ケータイをいじっている。

 さすがに肝が据わっている。いや、それはそうか、この人たちのターゲットは俺であって、彼女じゃない。

「これは、どういうことですか? サラさん」

 冷や汗が、背中を伝う。

「秋月灯夜。オマエを第一級銀河犯罪者として連行する」

 あまりの事態に頭が付いていかない。

 犯罪者? なんで? 俺は何か悪いことをしましたか?

「なんか、やらかしたんスか? 秋月さん」

 ジト目で、群雲が俺を見る。

「サイテーッスね」

 初めて聞いた口がソレかよ!

「いや、俺にだってさっぱり!」

「見苦しいですよ、秋月灯夜」

 サラさんが俺の二の口をふさぐ。

「女性に触ったじゃありませんか。それも皇女陛下に」

「そ、それがどうした……」

「聞いていませんか? ナコタナコタ人の男女は、結婚が決まるまでは触れ合ってはならないと」

 んがっ! どっかで聞いたかもしれない!

 しかしそんなに重い罰なのか? それは。

 地球人の俺からしてみたら、ナンセンスとしか言いようが無い。

 そんな時、俺の耳に、騒ぎを聞きつけたアーシェ総帥の声が届く。

「灯夜さーん? なんだかすごい音がしたのであるがなにかあったのであるかー?」

 続いて、トントントントンと、階段をリズミカルに下りてくる音が響く。

「来るな総帥! 来ちゃだめだ!」

「にゃ?」

 と、叫んでも時すでに遅し。さぁーっとふすまは開けられた。

 彼女の瞳に映るのは、粉々に割れ散った窓ガラスと、正座の俺を取り囲む特殊部隊っぽい皆さん。

「……ピンチですかにゃ?」

「ものごっつ、ピンチです」

 気まずい……。

「お久しぶりです。アーシェ・ナコタ・ナコタ第三皇女陛下」

 と、ソフト帽をとりながら、アーシェ総帥に恭しく頭を下げる、サラさん。

 頭には赤毛で覆われたネコミミが、やっぱりそこにはありました。

「さ、サラちゃん……」

 どうやら二人は顔見知りのようだった。

「し、知り合い?」

「そ、そうである。サラ・ラサラ・サラサちゃんといえば泣く子も黙る監査軍提督にして……、な、泣く子も喜ぶ……」

「喜ぶ?」

「女たらしのレズビアンさんなのである……」

 …………。

 レズって。

 いや、レズ云々はとやかく言わないが、その説明、正直要らなかったような。

 そのためだろうか、どこかアーシェ総帥の顔色に、警戒の色が混じっているのは。

「ど、どういうことであるか!? 何で灯夜さんが拘束されているんであるか!?」

「彼は重罪を犯しました。それは皇女陛下。貴方も同じです」

 その言葉と同時に、ざっと半数の女兵士たちの銃口が、総帥に向けられる。

「男女のふれあいは結婚までご法度。それは承知のはずですね?」

「むぐっ……」

 口ごもる、総帥。

「国民への示しもあります。失礼ですが、連行させていただきます。ほかの者は上ですか?」

「こ、答えるわけがないであろう?」

「それはそれでも……」

 じゅるりと、サラさんの口の端から、不穏な音が聞こえる。

「はうぁ!?」

 その音を耳にして、後ずさりする総帥。

 しかし、ふすまの縁に足をかけ、がたたん、と後ろにしりもちを付いてしまう。

「皇族とはいえ、示しってものがありますもので……」

 詰め寄る、サラさん。

 俺はというと、ドキドキが止まらない。

 ああ、どうしよう! 見たい気持ちも半分あったりする俺は不潔ですか!?

 と、そのときである。

「いまだ、メフィ! やっちまえぇぇえええええッッ!」

 ここにいるはずの無い、良平の声が聞こえたかと思うと、幾重もの軌跡を引いて、赤い色をした光弾が、茶の間を襲ったのは。

 ずどどどどどんッ!

 次々と光弾は壁に、柱に、ふすまに、穴を開けていく。

 その光弾になぎ倒される、女兵士たち。死にはしていないらしいが、それでも突然の攻撃に部隊は混乱に陥った。

 チャンスの到来。

「今こそッ!」

 奏さんが再びプリーツスカートに腕を突っ込み、何か銀色の被り物らしきものを引っ張り出す。

 それは、この間、黒い獣が残していったバイザー部分。

 苦い記憶がよみがえる。

「ちょ、奏さん、それ!」

 言うが早いかつけるが早いか。俺の言葉に耳を貸さず、奏さんはそれを装着する。

「好機……!」

 と、同時に、携帯を折りたたんだ群雲が、呪文らしきものを唱え始める。

「マジカルテリブルパンデモニウム……!」

 次の瞬間、二人を強いフラッシュが包み込む。

 くるくるとターンを繰り返す二人のシルエット。そのシルエットが大きく変化していく。

 それも数瞬。はじけるように光が消えると、奏さんはバイザーで顔を覆った、くるぶしに翼を持つ銀色の戦士に、群雲は鉄柱、マジカルステッキをつかんだ魔女へと姿を変えていた。

 変身の反動で、周囲の兵士が数人、吹っ飛ぶ。

「今日こそ言わせてもらう! しかと聞け、東に泣ける子供あれば、行ってあやして……」

「前口上長いッス! マジカルバスター群雲夕陽、見参ッ!!」

「ああ、今日こそ名乗れると思ったのに!?」

 奏さんをさえぎって、先に名乗りをあげる群雲。

「くそっ!」

 女兵士の数人が、名乗りを上げた二人向かって、銃口を構える。

「危にゃいッ!」

 ソレを見ていた総帥が吼える。

 すばやく服の端をつかみ、ばさぁと脱ぎ去ったかと思うと、その下から正式仕官服を着た姿で現れる。

 その両手には、いつ抜いたかも判らない二挺の拳銃。

 その銃口が群雲と奏さんを狙う数人の兵士向けて、雄たけびを上げた。

 ずだだだだだんっ!

 恐ろしいまでの正確かつ迅速なクイックドロウ。

「テイザーなのだ。おとなしく眠っておくといいのだ」

 総帥がつぶやくと、数人の兵士たちが気絶し、崩れ落ちる。

「す、すげぇ……」

 も、もしかして、総帥ってやれば出来る子?

「にゃっはっはっはー! 人間誰でも一つや二つ、得意なものはあるのである!」

 高らかに勝どきを上げる、総帥。

 しかし、その後ろに回った一人の兵士を、俺は見逃さなかった。

 助けようにも、間に合わない。

 くそ、こんなにはっきり俺は見えているのに……!

 そんな時、俺の脳裏に、神様の言葉がよみがえる。

(それじゃあ、大事にしておくんだね。これから、少し騒がしくなるよ)

 その意図を理解した俺は、刹那も待たず、叫んでいた。

「イチローーーーーーーーッ!」

 声に呼応し、天井を破って、二階にいたイチローが、そのまま総帥の後ろに立つ兵士の一人の首を手刀で叩いていた。

 気絶し、倒れる女兵士。

「にゃ!?」

 ごろんと足元に転がってきた女兵士に、びくりと驚く総帥。

 そんなことにかまうことなく、俺はイチローにサムズアップする。

 返されるサムズアップ。その顔は無表情ながら、どこか頼もしく見えた。

 しかし主役を張っていたのは、奏さんと群雲だ。

 お互い競い合うように、次々に兵士を殴り倒していく。

 そんな一連のやり取りが終わり、破壊によってもうもうと巻き上がった埃がおさまってゆく。

 立っているシルエットは少ない。俺、奏さん、群雲、イチロー、総帥、サラさん。

 そして、翼を生やし、角を持った少女と、その脇にいる良平。

「って何でおまえがここにいるんだあああああああああああ!?」

「うおお!? くたばってないし!? どうなってんのメフィ!?」

 不穏なことを口走りながら、良平は変わり果てた姿のメフィさんに尋ねる。

 あれ? この間は羽も角も三つ目の目も無かったはずなんだが……。

 このときその程度で驚きを終えた俺は相当非日常に慣れていたのかもしれない。

 逆に、驚いていたのはメフィさんのほうだった。

「あれで、死なない……? それどころか、威力も半減以下にされるなんて……」

 ぶつぶつとつぶやきながら、信じられないものを見るように、俺を見る。

「何かの加護が働いてる? アタシより高位の存在? 普通の人間が? そんな馬鹿な……」

 そんなメフィさんを見ていると、どたどたといまさらながらマウラさんたちが駆けつけてくる。

「何事ですか!? やかましい!」

「もう終わりました」

 マウラさんの怒鳴り声に一言返し、俺はサラさんに向かって口を開いた。

「こんなことになって不本意ですが、見逃してもらえませんか? サラさん」

 勢ぞろいする俺たち、対して、相手はサラさん一人。

「まさか、ここまでやるとは……」

 苦虫を噛み潰したように、つぶやくサラさん。

「なんて、言うと思いましたか?」

 しかし、次の瞬間笑みを浮かべると大きな声を上げて叫んだ。

「勢ぞろいしてもらって大助かりです! ギュンター! トラクタービーム照射!」

 その言葉とともに、俺たちを光が包み込む。

 浮き上がる、俺たちの体。

 倒れた女兵士たちも、ボロボロになった茶の間の机もが引っ張り上げられる。

 ちょ、おい、これ、前どっかで……!

「ワタクシの勝ちです。秋月灯夜」

 そうして、どこかで見た光景の中で、一人違うサラさんは、ニヤリと笑みを浮かべていた。

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