入学編(II)
次の日、俺は起きると朝の準備をし、制服に着替えた。
朝食は学食で食べれるので、学校の準備をしてから食堂へ向かった。
食堂はすでに結構な人がいたが、知り合いも居なかったので、1人で食べて、そのまま学校へ向う。
教室につき自分の席に座ると、まだレオは来ていないみたいで、俺はカバンから本を取り出し、読み始める。
本から一度目を外し、少しクラスを見渡すと、昨日うちに挨拶に来たであろう金髪美少女がいる。金髪美少女と目が合うと物凄い顔で睨んできたので、俺は本の世界に逃げ込んだ。
チャイムが鳴るちょっ前にレオが席に来て、「おはよ」とだけ挨拶を交わした。
チャイムがが鳴ると担任の後藤が入ってきて朝礼を行い、今後の説明を始めた。
「えーと、なんだっけ、あっそうだ、これがお前たちの今後の時間割だ」
後藤先生は手に持った紙を黒板に貼り付ける。
時間割はこの様な感じになっていた
月 火 水 木 金
1 魔 魔 魔 魔 魔
2 魔 魔 魔 魔 魔
3 魔 魔 魔 魔 魔
4 魔 魔 魔 魔 魔
5 国 理 体 世 数
6 数 英 体 国 英
魔法の授業多すぎだろ!あ、ここ魔法学園か、、、と半分諦めモードで看板を見ていると。
「時間割はこんな感じで進めてくからよろしくな〜」
軽いノリで後藤先生は言うと出ていった。今日から普通に始まるってことは一限目は魔法か、、、
一限目の開始のチャイムが鳴ると先生が入ってきた。みんなが知ってる後藤先生だ。何故一度部屋を出たと思ったが、そこは触れずにおこうと思う。
ただ入ってきた後藤先生はいつもやる気のない感じはなく、何故真剣な感じが伝わってくる。
「えっとだな、授業を始める前に一つだけ言っておくことがある。この魔法の授業はな毎年必ず死人が出る、お前らがこれから習うことはそう言う力があるって事を理解して、これからの授業に取り組んで欲しい」
クラス全員先生の真面目な雰囲気に飲まれて、静かに頷いた。
「よし、真面目モード終わり。んじゃあ今日は、各々のどこまでできるかを俺に見せてもらう為に、第二闘技場集合な」
俺たちは運動着に着替えて第二闘技場へと向かっていた。
「なぁ悠太、お前本当に魔法使えないのか?」
「当たり前だろ、人生で一度も使ったことねーよ、だから今日だけじゃなくとも、暫くは見学だな」
そんな話をしていると、第二闘技場に着いた。みんなは中央で集まっているので、俺たちもそこに加わる。
後藤先生も到着すると今からやる事を説明し始めた。
「おまら、そんな気弱なくていいぞ、まずは全員俺の前で魔法を見せてくれ。名前を呼んだやつは前に出てこい。」
その後は名前を呼ばれた者から前に行き魔法を見せていった。あるものは火の玉を飛ばしたり、またあるものは雷を飛ばしたり、あー平和な日本に帰りたい、、、
俺の番になったと思ったが、後藤先生は気を利かせてくれて、名前も呼ばず飛ばしてくれた。ありがとう後藤先生
全員が終わると後藤先生は全員をまた集めた。
「とりあえずお前らの力はわかった、んじゃあ次やる事を説明するぞ〜、次は召喚魔法だこれは2人一組で行ってもらう、たまーにやばいやつ呼んじゃうやついるから。あと、絶対に2人同時に魔力を流し込むなよ、絶対にだ」
召喚魔法とかファンタジーすぎてついていけんわ、、、
「各自召喚した物とどう契約するかは、本人に任せる」
後藤先生は召喚魔法が書かれた紙を生徒たちに配り始めた。そして、各々召喚魔法を行なっていった。
みんなが召喚魔法をしているから俺は適当に闘技場をぶらついていた。すると闘技場の入り口付近に怪しげな2人がいる。
2人は先ほどの魔法陣を2人で囲っている様だ、、、?
あれこれさっきダメって言われてたやつじゃね?
すると魔法陣が広がり、魔法陣の中からトロールみたいなでっかいモンスターが現れた。
生徒たちは急いでその場から逃げてゆきどこかへ行ってしまった。あれ?トロールさんなんでこっち向いてんの?
トロールさんにロックオンされた俺は闘技場の外に逃げ出した。すると、後者の方から見覚えのある金髪美少女が歩いてきた。
「おまえ!逃げろ!トロールが!」
うまく言葉にできず俺は金髪美少女の手を握り、後者裏の方へと逃げていった。
「ちゃっと!離しなさいよ!」
「おまえ!この状況わかってます?絶賛トロールさんに追いかけられてんだよ」
金髪美少女は俺の手を振り解きトロールの前に立ち塞がった。
「あんなの魔法で倒せばいいのよ」
金髪美少女の手から氷の礫を放ち、トロールへぶつけた。しかしトロールは痛がる様子もなくこちらに進んできた。
金髪美少女は続けて氷の礫を放つも効いている気配はない、トロールがあんな前に立つと持っていた棍棒を高く振り上げた。
はぁ、なんでだろ、見てればいいってわかってるんだけどさ。
俺の足は勝手に前に出て女を庇う様に、振り下ろされた棍棒に吹き飛ばされた。
、、、金髪美少女が必死に何か話してる声聞こえる、なんて言ってんのか全然わかんねーよ。そういえば右手と右足の感覚ねーな、、、
『はぁー、今回の主人はだらしねーな、こんな雑魚トロール如きに負けやがって。お前が死んだら、俺も死ぬから今回だけ力を貸してやるか』
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私が調子に乗って魔物を倒そうとしたせいで、攻撃から庇ってくれたこいつが怪我をしてしまった。
彼の右腕と右足は潰れて血がなられていて、頭からも血がなれている。私が殺してしまった、、、と思っていると。
突然彼が立ち上がった、普通こんな深い傷を負っては立ち上がることなどできないはずなのに、彼は今私の前に立っている。
「お前か?このからだをめちゃくちゃにしてくれたのわよ」
彼はトロールに向かってそう言い放った。すると、私の視界から消えたと同時にトロールの叫び声が聞こえた。
トロールを見ると右の手が無くなり、地面に落ちていた、一瞬の出来事で何が起きたのか、分からずただ呆然としていた。
彼は落ちた右腕も足で潰すと、腕はガラスの様な破片になって彼右腕に集まっていた。
「弱えな、久しぶりの運動なんだから、もっと強いのを寄越せよ」
彼はそう言うと今度は右足を切り落とし、同じように踏みつけた、その破片も右足へ集まっていった。
トロールは何が起きているのかわからず、なけなしの体当たりを彼に行う。しかし、その攻撃も彼の前に現れた障壁によって塞がれた。彼はそのままトロールの上に乗り、手で首を切り落とした。
そして彼は、その場で倒れたのだ。
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目を覚ますとベットの上だった。確か俺トロールに吹き飛ばされたんだよな、、、
自分の体を見ても特に怪我はなく、本当にトロールに吹き飛ばされたのか疑問が湧いた。
とりあえず起き上がろうとすると、ん???
誰が俺の手を握っている、、、、だれ?
起き上がり椅子に座りながら俺の手を握ってる人を見ると、、、金髪美少女じゃん!
俺は慌てて握られた手を引っこ抜いた。
あれ?寝てる?窓の外を見ると暗くなっていたので、多分この子はずっと俺の看病をしぐれてたんだな。
俺は起こさない様に立ち上がり俺が使っていた布団を金髪美少女にかけてあげた。
その後職員室に向かった。職員室には後藤先生がおり、後藤先生からあの出来事の話を聞いた。
先生の話によると、俺が吹き飛ばされた後、後藤先生がすぐに駆けつけてトロールを倒してくれた様だ。俺の傷は魔法で治したらしい。
いやーほんとあんな馬鹿なことしたないけないよね。まじ死んだかと思った。後藤先生にはまじ感謝!!
その後俺は先生に金髪美少女がまだ保健室で寝ている事を伝え、自分の寮に帰った。