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sideナンナ2

一つ一つ説明をしてもらいました。

どうやら二人は仲違いをしてしまっていたようで、エリザちゃんがその仲裁に入ったそうです。

でも二人は涙を滲ませていて、これがお父さんのよく言う「りょーせいばい」ってやつなんでしょうか。


エリザちゃんは、最初私にぶつかった時、私が怖がることを恐れて自らの紋章を魔法で見えなくしていたとの事でした。

前も言いましたが、私は魔法にとっても自信があって、なのに幻術系の魔法も見抜けなかったなんて、少しショックです。

鍛錬が足りないのか、それともエリザちゃんの魔法が……いや、言い訳ですね。


さて、喧嘩している二人に話を戻すと、2段ベッドの上段の事で揉めていたそうです。

その事については東側にエリザちゃんと赤毛の子、西側に巻き毛の子と私で、喧嘩していた2人とも上段になるように決着しました。



「じゃあ、改めて自己紹介しようよ!これからずっとこのメンバーで過ごすんだからさ」


そう言うとエリザちゃんが頷いてくれて、他の二人もエリザちゃんにつられてわかったと言ってくれました。


「私からね!私はナンナって言います。王都から東の方にずっと進んだところにあるカポイの村からやって来ました」


「あ、あなた入学式で前にいた子でしょ!村からなのに、すごい!」


巻き毛の子がどこか誇らしげに、私を見つめます。


「うん。いっぱい勉学したもん!あなたは?」


「あたしはメリッサ。地元はここだよ」


メリッサちゃんは王都の出らしいです。さすが都会人、今流行りの可愛らしい髪飾りをつけています。


「私はアメリア。アメリア・フォン・ハルメアと言えば分かるかしら?」


堂々と名乗った真っ赤な髪の子はアメリアちゃんというらしいです。

ハルメアししゃくって名前は遠く離れたカポイの村までとどろいています。

まだ子供なのにすごい魔法の才があり、魔物さえ倒したことがあると噂されていました。

まさか同級生になるなんて。もう少し年上の人だと思っていました。

アメリアちゃんはエリザちゃんを見る時はどこか好戦的に、私とメリッサちゃんを見る時はどこか見下しているような目付きをします。同じ貴族なのに、エリザちゃんより怖いです。


「あー、では最後に私が。私はエリザ・フォン・ロードランと申します。そちらのアメリアちゃ…アメリアさんとは7歳の頃からのお友達です。ナンナちゃんやアメリアちゃん程の知識はありませんが、魔法は得意なつもりです。何かあれば気軽に頼ってくださいね」


アメリアちゃんにも臆せずに接しているから、多分お家はアメリアちゃんよりもワンランク上なのでしょうか。

改めて、エリザちゃんが良い人でも良かったと思いました。もし、ぶつかった相手が怖い人だったら……考えるだけでも恐ろしいです。


……にっこりと微笑みながら自己紹介したエリザちゃんはほんとに綺麗で、なんて言うか、お人形さんみたいなのです。


流行りの髪飾りをしているメリッサちゃんや、可愛らしい編み込みを髪に施しているアメリアちゃんは華型で流行の最先端って感じですけど、エリザちゃんは髪も結んでいませんし髪飾りもしていません。

ただシンプルに綺麗な髪がなびき、動きも落ち着きがあり、どこか古風な可愛らしさを感じます。

そのせいかどこか年上の、お姉さんのような雰囲気があります。


頼っていいよって言われて、お父さんよりも頼りになりそうって思っちゃったほどです。


アメリアちゃん友達って言った時、アメリアちゃんが一瞬嬉しそうな顔をしていました。

アメリアちゃんもいつもあんな顔だったらもっと接しやすいのになぁ。



それから荷物をおろして、皆でどこに何を置くか確認しながら部屋を私達色に染め上げました!


アメリアちゃんは「貴族である私がなぜ動く必要があるのです?」と言って動きませんでしたが、エリザちゃんが積極的に私に協力してくれたので仕方なくという感じで協力してくれました。


4人で取り組んだということもあり、結構早く部屋の整理は終わりました。

その後は部屋でじっくりお互いの事を話し合って、一緒に学食に行って、夜まで語り明かしました。


夜になる頃には皆表情が柔らかくなってきました。


明日からは授業があります。明日から始まる華々しい学園生活に胸を躍らせると、寝ようにも寝つけませんでした。

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