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49ページ目、スキル鑑定

教会までは先生達の引率により、列になって向かいます。


中には何人か列からはみ出ている者もいますが、ちゃんと列を成して動けるあたり、皆優秀なんでしょうね。




教会が見えてきます。スキルを教えられるのに教会?と思うこともありますが、この世界においてスキルとは神からの贈り物であり、祝福なのだそうです。

そうじゃなくても、ソルラヴィエ王国はどうやら宗教国家のような側面もありますから、必ず教会へは行くことになるでしょう。


教会の造りついて詳しくありませんが、石造りと言うのは珍しく感じます。天高く尖った頭がいくつもそびえ立ち、建物を囲うようにして4箇所から魔除の結界を張り、窓に描かれたステンドグラスからも魔除の魔力を感じます。


流石にここまでは魔物も入って来ないので、雰囲気のために結界を張ってる感じでしょうね。


少し緊張しながら中へ入ると、冷たい石の空気が肌で感じられました。

後ろから太陽の絵のステンドグラスを通して、黄色い陽光が館内を照らし出します。


中学の時に修学旅行で訪れた教会はもっと小さかったので、遥か頭上高くに描かれた天井の絵を見ながらため息がでてしまいます。


列が止まり、先生が説明を始めます。

どうやらここのシスターがスキルを教えてくれるそうです。親切な事に、スキルの名前と、効果や使用方法までも教えてくれるとのこと。

なんだその親切設計。とても有能じゃないですか。


少し乱れていた列を並び直し、先頭の子からシスターの前へ向かいます。

シスターの目が青鈍に光ったと思うと、何やら紙に書き込んでそれを渡しているようです。


皆緊張しながらの待機になるので、シスターのペンの音がやけに大きく反響します。


よくゲームである、「調べる」みたいなスキルをシスターは持ってるんでしょうか。

そんな事を考えながらシスターの様子を見ているとらふと頭に知らない情報が流れ込んできました。


――スキル「鑑定」を所持――


――「鑑定」・・・物質や相手の能力を測ったり、正体を理解することが出来る――


言葉としてまとまってはいませんでしたが、そのような事を理解してしまいました。

シスターの前にいる男の子に注目して念じると、どうやら「剣術」というスキルを持っているらしい事が分かりました。


……あ、これ、私も「鑑定」持ってるな…


思ったより速い、驚きのネタバレ。

さっさと帰りたいものである。

というか、今まで全くそんな事無かったから気づきませんでした。

むしろ、なんで今になって気がついたんでしょう。

もしかすると、真新しいことばかりで、日々の中でそれに馴染んでいっているように思っていましたが、すぐに馴染めたのはこの「鑑定」のおかげだったんでしょうか。


どうせならもっと派手なものが良かったら等と脳内会議で愚痴を言っていると、しばらくして私の番になりました。



シスターの目元には大きな隈が出来ており、あまり若く無さそうなのによく働いている事が分かりました。


私を品定めするような目でじっくりと眺め、ペンだこだらけの指を動かそうとし―――眉を顰めました。

その視線は私は見つめながら、離そうとしません。


そうやって少し時間が経ち、首を傾げながら1枚紙を渡されました。


貰ったので、とりあえず教会の外に出、そこからは自由時間のはずだったのですが……紙に不穏な事が書いてありました。



スキル「竜呪」

効果・・・不明

後で話があります。スキルの鑑定を別の者に代わり次第呼びに行くので教会のすぐ外でお待ちください。



なんだ…!?これは!?

スキルが鑑定じゃなかった事もさることながら、呼び出しと言うのは心臓によくありません。心臓の振動が身体中に伝わります。


効果不明なのも怖いですが、竜呪、なんて名前が随分と穏やかじゃありませんね。

ふと、今までずっと私の横髪に隠れていた夢さんが這い出て来ました。


そういえば、父が倒した魔物も地竜だし、夢に出てきたのも竜だし、夢さんもなんか竜ですよね。

私がドラゴンかっけー!て思っていたから出てきたとかそんなんじゃない気がします。

もっと何か因果関係のある……いや、思い過ごしですかね。世の中、結構意味とかありませんし。


「ねぇ、夢さん〜。このスキル、何か知ってる?」


独り言まぎれに紙を広げたまま、何となく呟きました。

夢さんはこちらに向き直り、首を縦に振りました。


その瞬間。

何かの歯車がガタリと動き出した。そんな気がしました。

度々、長期間開けてしまって申し訳ないですが、ゆっくりと自分ペースで更新していきます。どうぞ、よろしくお願いします

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