二話 遭遇
棗 黎 (17)
Lv.1
HP 2000
MP 1800
ATK 1400
DEF 1200
AGL 1500
INT 2300
SPl 測定不能
LUK 測定不能
絶対アブソリュートスキル
・??? (特定の条件下で解放)
称号
・迷い込んだ者
これが俺のステータスだ。比較対象がないので、強いのか弱いのかは分からないが、SPlとLUKに関しては、最強と言えるだろう。低すぎて測定不能ということも有り得るが、ポジティブに考えよう。
スキルに関しては、特定の条件下ってのが分からないので、放置することにした。
称号に関しては……別にいいか。
ステータスを閉じた俺は、先程から鳴る腹の虫をどうにかするため、バッグの中から弁当を取り出した。
蓋を開けると、冷めたにも関わらず、香ばしい香りが鼻孔をくすぐった。
その食欲をそそる臭いに我慢出来ず、俺は箸を取り出し、程よく焼けた唐揚げを掴み、口に運ぼうとしたその時───
ドォオオオオオン!
「っ!」
目の前にあった壁が突如として崩れ落ちた。
俺はその音に驚き、冷や汗を浮かべながらただその光景を見ていた。
すると、ガラガラと音を立てながら、何かが出てきた。
それは、今まで見た魔物とは比べ物にならない大きさの虎のような魔物だった。