プロローグ 穴へと落ちると其処は…
それは突然だった。
いつも通りに起きて、歯を磨き、制服に着替え、朝食を食べ、玄関を開け学校へと向かうため、その一歩を踏み出そうと瞬間──
周りの景色や地面がガラスのように飛び散り、視界が暗くなり、俺はそこに出来た穴へと落ちた。
こうして俺は、棗 黎は世界から忘れられた。
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「……ッ!此処はどこだ?」
先ほどの浮遊感とは違い、しっかりと足から伝わる地面の感触を感じて、俺は目を開けた。
すると其処は、薄暗い洞窟と思われる場所だった。
「なんだこれ、俺はさっきまで確かに%自分の家に……あの時起こったあの変な現象と関係があるのか?くそ、何がどうなってるんだよ…」
しばらく思考し、俺は一つの結論に至った。
それは、此処が異世界だということだ。
これが何かのドッキリということも考えたが、現代の技術であの現象を起こすのは不可能だと思ったし、何より一瞬であそこから此処までどうやって移動したという話になる。
だから、ここが異世界だと考えた。
「でもまだ確定した訳じゃない。例え異世界じゃないとしても、用心しなきゃ行けないな、食料は昼に食べる予定だった弁当があるから何日かは持つとして、水筒は持ってきてないからな。まずは水を見つけるか」
こうして俺はあっさりと、自分に起こったことを受け入れ、洞窟の奥へと歩き出した。
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