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 僕の体に異変が見つかったのは、梅雨に入ったばかりの頃だった。春に受けた会社の健康診断にひっかかってしまったのだ。

 総務部から手渡された再検査の通知。


「なんだよ、忙しいのに。行ってられっかよ」


 ちっと軽く舌打ちしたら、「まあ、まあ」となだめられた。


「気持ちはわかるけどさ、なんとか時間をつくって行ってきてくれよ。どうせ異常なんか、ないだろうからさ」


 総務部の下川は僕と同期だ。やつとは気心の知れた仲で。こうして時々、軽口をたたきあったりする。だからこそ、よけいに腹立たしく思えるときがあるんだよな。


「どうせ他人事ひとごとだからな」


 何が気持ちはわかる、だ。

 僕はその言葉にかみついた。


「おまえ、全然わかってない。だから、それが時間の無駄だって言ってんだよ。今が大事なところなんだぞ。トラブルが起こってからじゃ遅いんだ」


 この春、新しいプロジェクトが立ちあげられ、僕はリーダーに抜擢ばってきされた。入社三年目にして任せられた大きな仕事だった。そのため軌道に乗るまでは離れるわけにいかない。少しでも時間が惜しかった。そのことを下川もよく知っているはずだ。だが、彼は頑として頭を縦にふらなかった。


「そうはいかんよ。他の社員も再検査を受けてるんだ。おまえだけが特別ってわけにいかないんだよ。あきらめて、さっさと行ってこい」


 と、顔をあわすたびに何度も催促されるので。


「行くよ! 行けばいいんだろっ」


 僕はとうとう根負けして、しぶしぶ病院へ行ったのだった。


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