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転生騎士  作者: 如月厄人
第二章 邂逅
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13.堕ちた先は…

 だが、ブラックの下についても、彼女は何ら縛られることはなかった。ただ、彼女が気持ちよくなった後に、ステッカーを一つ、貼るだけだった。


 ステッカーには、【Rolling in the Dark】、闇に収束するという意味らしいが、目立ちたがりなブラックとしては、わかりやすい文言が良かったのだろう。最初に聞いた時には皆一様に首を傾げ頭を叩かれた。


 瓦礫の目の前にトラックが止まる。監視カメラも何もない、無くなった第二区画は、国としても目の上のたんこぶだろうが、未だ対策は取れていない。彼らのようなサイボーグ至上主義側が拠点として悪用し、復興をするまえに、また掃討をしなくてはならない。


 その為には色々な準備がいる。それに合わせて彼ら、テロリスト達も、準備をしていた。


 瓦礫の隙間から滑り込むと、整然とした階段が下に伸びていた。それを下ると、更に広い地下空間に辿り着く。


 同胞達と軽く挨拶を交わしながら、一番奥の部屋の扉をあけた。


「ふふん♪ふふん♪ふふーふふー…てめえら入る時はノックぐらいしやがれこるぁっ!」


「いえ、その、ごめんなさいね。でも、目立ってたわよ、その、凄く」


 腰を振りながら鼻歌を歌っていたブラックが二人を指差して怒鳴る。ブルーはフォローともつかぬ返しをして、少し後ずさった。


 ブラックはこういう人物だ。恐らく今のアレは、作戦中に自分が目立つ為のパフォーマンスの練習をしていたのだろう。


 確かに目立つのだが…、他の人からすれば、ただの阿呆にしか見えない。現に、騎士団からつけられたあだ名は、どちらかというとブラックに憐れみを覚えるようなものだった。


【黒の変質者】、リーダーがこれなので、良く行動を共にしているレッドも同じあだ名をつけられている。つまり、赤の変質者。


 因みに、イエローとグリーンはアーマーを多くつけたサイボーグ体で、イエローは顔の中心に巨大なメインカメラを一つ、グリーンは横一線の目線カメラだが、ブラック、ブルー、レッドの三人は人間に似たアンドロイドの姿だ。


 この三人は街に紛れて各々スパイ活動をしている為、無骨なサイボーグ体よりも人間に似せた方が都合がいい。


 という口実で、各々が好き勝手をしているのが現状だ。


 ブルーは男漁り、レッドは女漁り、そしてブラックは…。


「闇の炎に抱かれて消えろッ!!」


「キャー!かっこいー‼︎」


 趣味のコスプレを謳歌していた。


 数々のイベントに参加し、その全てを、黒を基調としたキャラを選び、顔を変えることなく衣装の完成度と、本人の成り切りによって知名度を上げた。


 そちらのあだ名は本人がたまに口に出すほどのお気に入りだ、


【黒の貴公子】。まぁ、正直黒だけ選んでいればつきそうな名前でもある。


 だが、今回の作戦はこのあだ名にも起因するものがある。


 最近、巷で騒がれる黒といえば、四方で活躍する、『黒騎士』だ。


 自分よりも目立つ黒がいる。しかも騎士団の中にいる。なら話は早い。


「よろしい、ならば戦争だ」


 その一言から、先の戦役で傷を癒す為に一時的に解散状態になっていたメンバーを再結成し、打倒黒騎士を目標に、現在作戦を実行中だ。


 グリーンが見つかったのは少し予想外ではあったが、別の場所への布石は十分置けた。

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