裏1: 書けない言葉
“なぁ、私の日記。 お前は喋れない、見えない、聞けない、誰にも私の言ってることを伝えられない。 だから、お前だけには安心して物を言える。 同僚さんも、上司さんも、信頼はしているが、彼らはどこまで行っても私の完全な味方になってはくれない。 彼らには彼らの思惑があるから。
なぁ、私の日記よ、さっきはあんな事書いたが、怖いんだよ。 不安なんだ。 なぁ、あんな事を言ってても、捨てられたくは絶対ないんだよ。 覚悟したつっても、嫌な事には変わりがない。 一緒にいたいんだ、一緒に居るためならなんでもする。 手足や臓器の1つ2つなんてなくったっていいし、ゴミや奴隷扱いは慣れている。 体売ったっていいし、ヒトだって殺せるよ。 でも、ご主人様はいつも優しいんだ。 怒らないんだ。 何やっても、何言っても、我儘言っても、困ったような顔やただ諭すだけ。 危険な事やっても、そんな事しちゃ駄目だろうと言われるだけだ。
なぁ、私の日記。 彼の方に、私を本当に見て欲しいとまでは言わない。 いまのままでも、心の奥底まで満たしてくださってるから。 でも、言わないけど、けども、少し、ほんの少しだけ、
寂しいんだ。”