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Dear Diary,  作者: 時雨氷水
13/16

十九日目: 叩き潰された(?)初めての反抗

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Dear Diary,




私の日記よ、基本的に私は、従順な下僕としてここに在る。 言われた事は笑顔でこなし、何か言われればそれが何であろうと尻尾を振って神妙に耳を傾けてきた。 それはご主人様のみならず、他の方々であってもそうやってきた。 それが私の処世術だからだ。 生き物は基本、己に逆らわない者に対し危害を加えようとはしない。 人間など単体では弱い者であればその本能が働かない個体も多々居るが、とりあえずそれは置いておこう。



そう、私は所謂「良い子」でここまできた。 それもひとえに優しい方々に恵まれてきたからだ。 しかし、今回ばかりは少しばかり限界だ。 


何故かというと、そろそろ怖い他人と接触するのは限界に来ている事が挙げられる。 元々の引きこもり気質が、「もうやだおうちかえる」と涙目で服の袖を遠慮がちに引きながら訴えてきているのだ。 しかも幼い頃の私の幻覚まで見えている。 飴をあげてみたら喜んだ。 自分で自分の頭が心配になってきた。 



とはいえ入院患者etc.と雑談組は良い。 雑談組はイラッとくるが、話を聞く必要が無いから並行して仕事が出来るしクレーム野郎どもの相手をする必要がない。 というか何故全員プライベート時に来る気が無いのだろう。 そんな事はともかく、ご主人様はむしろ毎日毎時間毎秒一緒に居てもSAN値が減るどころか回復する。


考えていてもしかたがないので仕事に向かうとする。 ご主人様のご尊顔を見ないと起きた気にならない。






ご主人様に再び心配されてしまった。 心配させないための嘘も看破されるようになってきたし、最近何故か粘ってくるようになってきた。 これは由々しき事態と言っても過言ではないだろう。 早急に対策を考える必要がある。 ひさびさに同僚さんを飲みにでも誘うか。



さて、重い心で午後の仕事先に行ったら、さっそく上司さんに呼ばれて解決策とも言えぬ解決策を聞く羽目になった。 内容が本当にクレームでない限りは三分間の制限をつける、という私にとっては好転どころか暗転直下な事態だ。 これにはさすがの私も反旗を翻さざるを得なかった。


確かに言いくるめるテクニックだけは上司さんにも引けをとらなくなってきたと自他共に認めている。 が、そもそも難しいお客様の応対をなぜこうもやらねばならないのだろう。 わりと自業自得とはいえ、だんだんと押し付けていったのはそっちだろうと私は言いたい。 現に、私が居なかった時の方があまりヒトがこなかったと上司さん自身が言っていた。


ならば、私は完全に裏方に回った方が、相手も諦めが付くだろう。 そう主張した、んだが。 彼らの話を聞く事はご主人様のお役に立っていると、上司さんが言った。 理由も信ずるに価する物だった。 そういう事だと、腹を括るしかないだろうが。 



万年幼女はごめんな、と罪悪感を一つも感じさせない顔で笑っていた。





ご主人様「……」(目元を抑えつつ)



助かっている理由を書かないのは、日記に書いて良い事柄じゃないからです。

2になるか3になるかはわかりませんが、いずれ裏話として書きます。


また、雑談組がプライベート時に来ない理由は、番外編1:スケジュールをご参考願います。

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