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これは僕が望んだことなのか。
深い闇の中に堕ちて行く間、僕は随分いろんなことを考えていた。決して冷静だったわけでもなく、自棄とか諦めと言うのとも少し違って、思考だけがぽかりと浮き輪のように浮かんでいる感覚だった。
同期であっても、踏み込むことはできない知らない関本の一面に、僕が触れる。そこに特別なものがあるのかないのか。何かしらの感情は発生するのか。単に僕は興味があったと思う。
あの夜と決定的に違っていたのは、関本に迷いがなかった事だ。工藤のような躊躇いもなく、それが自然のことのように淡々と事を進める。
こう言う場面では無口になるのか、僕らに会話は生まれなかった。只、微かな息遣いで、関本がそれなりに高揚している事は、何となくだが分かった。
僕は悪趣味にも、工藤だったらどうだろうかと、とんでもない背徳的な想像さえしていた。
僕の思考はそのままゆらゆらと漂い、いよいよと言う場面で現実に引き戻された。僕が踏み込んだ事のない世界が、そこにあった。重い扉を抉じ開けるようにして突き進んでくるものに、僕は今更抗うことなんてできない。
その痛みは後悔の痛みなのか。
痛みの先にあるものが、只の快楽だけであったら悲しいと、僕は何処かで思っている。
一瞬、暗闇に青く漂う蛍の光を見たような気がした。
切ないぐらいに悲しい色だと、僕は思った。




