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ブルーマンデー。
サラリーマンにとって月曜の朝は憂鬱だ。ただでさえそうなのに、僕は大きな十字架を背負っている。
昨日、男とキスをしてしまった。相手は同期で、友人で、しかも同じフロアで仕事をしている。酔った勢いとか、罰ゲームの類でもない。
彼は僕の事が好きだと告白し、僕は聞かなかった事にするつもりで、週末のあの夜の告白を消し去ろうとした。
でも、どうしたって僕にそんな器用な真似ができる筈もなく、忘れてくれと言った本人だって、多分戸惑っている。
あのキス自体は、本当に偶発事故のようなものだったと思う。触れるだけの、それこそ中学生のようなキスだったし、たまたま至近距離に僕の顔があって、逃げ出す素振りも見せないなら、好きだと告白した相手にとっては、それこそチャンス到来だったろう。実際僕は逃げなかったし、キスされても相手を突き飛ばすとか、顔を背けるなどの拒絶もしなかった。
彼は多分、僕がそうするであろうと、最初から分かっていたうえでの、あの行動だったと思う。あの眼を見た瞬間、僕は逃げることをどこかで諦めていたし、彼とのキスを予感していた。
同性愛者でもない彼が、僕を好きだと言う感情が理解できない。男が好きなわけではなく、僕だけを好きだと言う彼の想いは、もしかしたら究極の友情みたいなものだろうか。彼ほどの男にそんな風に思われる自分は、もっと素直に喜んでいいのかもしれない。
それなら何故、彼が僕をここまで焦せらせたり、滅入らせたりするのか。
彼の想いが揺るぎないもので、そんな究極の友情なんてものに目覚めたとしたら、それは素晴らしい事に違いない。唯、彼は好きが高じて、抱きしめたいとか、キスをしたいとか思い出した。事実、彼はそれを易々とやって見せた。
その先に何が待っているのか?
考えたくはないが、やっぱり肉体関係ってことだろう。
確かに彼は僕に触れたいと言っていた。いきなり僕をどうこうしたいと言うわけではなさそうだが、抱きしめたりキスしたりはできるようだ。
これだけだって、十分ハードルの高い事だと思う。
だいたい、友達同士でそんな事はしない。だから、彼は僕の事が異性を好きになるような感情なのだと益々思い込む。もしかしたら、僕を抱いたらどうなんだろうかと、既に思い始めているかも知れない。
たかがSEXぐらいと思うかもしれないが、その一線を超える事は容易ではなく、少なくとも僕は、男相手にそれができるとは思わない。
なのに今の彼は、そんな不毛な事でさえできるような気になってないだろか。そんな彼の思い込みが、正直僕には脅威に感じる。
昨日は一日中、そんな悶々とした気持で過ごした。
どうしたって彼と顔をあわせなければならない月曜日は、僕にとっては限りなくブルーマンデーだ。




