表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同期  作者: SHIRO
12/37

12

 ブルーマンデー。

サラリーマンにとって月曜の朝は憂鬱だ。ただでさえそうなのに、僕は大きな十字架を背負っている。

 昨日、男とキスをしてしまった。相手は同期で、友人で、しかも同じフロアで仕事をしている。酔った勢いとか、罰ゲームの類でもない。

 彼は僕の事が好きだと告白し、僕は聞かなかった事にするつもりで、週末のあの夜の告白を消し去ろうとした。

でも、どうしたって僕にそんな器用な真似ができる筈もなく、忘れてくれと言った本人だって、多分戸惑っている。

 あのキス自体は、本当に偶発事故のようなものだったと思う。触れるだけの、それこそ中学生のようなキスだったし、たまたま至近距離に僕の顔があって、逃げ出す素振りも見せないなら、好きだと告白した相手にとっては、それこそチャンス到来だったろう。実際僕は逃げなかったし、キスされても相手を突き飛ばすとか、顔を背けるなどの拒絶もしなかった。

 彼は多分、僕がそうするであろうと、最初から分かっていたうえでの、あの行動だったと思う。あの眼を見た瞬間、僕は逃げることをどこかで諦めていたし、彼とのキスを予感していた。

 同性愛者でもない彼が、僕を好きだと言う感情が理解できない。男が好きなわけではなく、僕だけを好きだと言う彼の想いは、もしかしたら究極の友情みたいなものだろうか。彼ほどの男にそんな風に思われる自分は、もっと素直に喜んでいいのかもしれない。

それなら何故、彼が僕をここまで焦せらせたり、滅入らせたりするのか。

 彼の想いが揺るぎないもので、そんな究極の友情なんてものに目覚めたとしたら、それは素晴らしい事に違いない。唯、彼は好きが高じて、抱きしめたいとか、キスをしたいとか思い出した。事実、彼はそれを易々とやって見せた。

 その先に何が待っているのか?

 考えたくはないが、やっぱり肉体関係ってことだろう。

 確かに彼は僕に触れたいと言っていた。いきなり僕をどうこうしたいと言うわけではなさそうだが、抱きしめたりキスしたりはできるようだ。

 これだけだって、十分ハードルの高い事だと思う。

 だいたい、友達同士でそんな事はしない。だから、彼は僕の事が異性を好きになるような感情なのだと益々思い込む。もしかしたら、僕を抱いたらどうなんだろうかと、既に思い始めているかも知れない。

 たかがSEXぐらいと思うかもしれないが、その一線を超える事は容易ではなく、少なくとも僕は、男相手にそれができるとは思わない。

 なのに今の彼は、そんな不毛な事でさえできるような気になってないだろか。そんな彼の思い込みが、正直僕には脅威に感じる。

 昨日は一日中、そんな悶々とした気持で過ごした。

 どうしたって彼と顔をあわせなければならない月曜日は、僕にとっては限りなくブルーマンデーだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ