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短編集

痴漢冤罪

作者: 縁 笈留

小説簡易ネタ作りという物を使って出てきたお題を元に作りました


ジャンル コメディ


時代 恐竜時代


場所 天国


作品の雰囲気  ハラハラ


主人公 怠惰な裕福な多芸な大学生


その他の登場人物 やつれた禿げの人気の無いイケメン

         世間知らずな無慈悲な有能な中学生

         優雅な愛情深い無名のモンスター

         洗練された熱心な聡明な魔女

         みすぼらしい気難しい無知なエルフ

キーワード 電車



それでは本編の始まりです どうぞ

大学生(以下大)「ふぅ…電車通いも楽じゃないな…まったく……」


その大学生は電車の中で愚痴っていた。

大学生はその服装からかなり裕福であることが伺える。

それを発見した中学生は一計を案じることになる。


中学生(以下中)「(少しづつ近づいて……)キャアアアアアア!」


大「おわっ!?なんだ?」


中「(大学生の右手を掴みながら)この人、痴漢です!」


大「え、えぇぇぇぇ!?私ぃぃ!?」


聡明な方には一瞬でわかるだろうが、この中学生は痴漢冤罪をたくらんだのだ

裕福なところに目をつけてたくさん金を絞り込もうと……


イケメン(以下イ)「おいおい、マジかよぉー」


エルフ(以下エ)「女の敵ね」


魔女(以下魔)「はやく駅員さん呼んできて!」


大「え、やってないって!痴漢なんてしてない!」


中「うぇぇぇぇ…ひっく…ひっく……」


イ「おいおい女泣かせといて何言ってんだよ」


中(いいぞもっと言ってやれハゲ。ハゲだけどお前は役に立つな。お前今輝いてるよ、二つの意味で)


大「はぁ?勘違いだろ!?なぁ、そうだよな!?おいっ」


中「ふぇぇぇぇぇえええええん」


魔「こっちです!」


モンスター(以下モ)「はいはーい ちょっといいかなー」


大「!?」


大学生はこの中学生が痴漢冤罪を狙ってることも分かっていた。

それは自分の持っている切り札によるものでもある。

そしてこの切り札を使えばさっさと終わらせることができるのだが、暇を持て余していたことと、皆に注目された意趣返しに、中学生がせいぜい喚き散らかしたあとに恥をかかせてやろうと考えた。


中「うわぁぁん。この人が……私のお尻を触ってきて……」


大「この女性はそんなことを言ってますが私の両手は手すりを持っていました。その状態で触ることはできません」


イ「おいおい嘘つくなよてめー。俺は見てたんだぞ」


そんな戯言を聞いた大学生は呆れた。

大学生が両手を使って手すりを持っていたのは本当だ。

しかしこのイケメンがただ目立ちたいがためにこんなことを言ってくるのは大学生にとって不快なものである。

だからこそ 大学生はこのイケメンにも恥をかかせてやろうと考えた。


大「お前こそ嘘をつくなよ。お前はたしかむこうの座席で座ってたよな?なのになんで見えるんだ?」


イ「俺、視力いいから。お前がこの女の子の尻を触ってたの見たから」


イケメンはこう考えていた。

中学生の様子からして、この大学生が触っていたのは本当である。

それなのに大学生が否定している。

そして中学生が泣いている。

これを助ければ電車男のようなドラマ展開に持って行けるのではないか……と。

それと同時にイケメンにはとある切り札があったため、痴漢摘発の行為に決行した。


しかしそれは中学生が痴漢冤罪をたくさんしてきていて、演技が神がかっていなければの話であった。

イケメンにそんな考えをもたらせたのは、中学生の演技の賜物であろう。


そして中学生はこれを好機に考えた。

以前も同じようなことを考えた馬鹿がいたからこそ、このイケメンも同じだと把握できたのだ。

そしてこのイケメンは使える……と判断したのだ。


一方大学生は余裕であった。

自分の切り札がかなりの力を持っているからだ。

そしてその切り札が大学生に冷静させた。


大「で、その証拠はあるの?痴漢していたって証拠、ないよね?」


大学生は子供を諭すようにそう言った。

これはイケメンを怒らせるためでもあり、イケメンが切り札のようなものを持っていると予想したからである。

早いうちに手札を切らせておいてそれを完膚なきまでに論破すれば恥をかかせられるであろう。

そう大学生は考えた。


イ「はっ。かかったな、馬鹿め!」


イケメンはこれを好機に考えた。

それが自らの自爆を秘めているとも知らず……。


イ「これを見な!これが証拠だ!」


そしてイケメンが取り出したのは携帯電話。

その画面には大学生が中学生の後ろで屈んでいるのが表示されていた。

これはイケメンの唯一の切り札であった。

これを見せれば言い逃れはできないだろうと思って。


モ「あぁー……確かに触っているように見えるね。よし、ちょっと事情を聞きたいから事務所に行こうか」


モンスターがこの発言をして中学生は勝機を感じた。

中学生もまさかイケメンがここまでの行動をとってくれているとは思わず少し笑みがこぼれた。


中「フフッ……うぇぇぇん」


笑みを隠すように泣きまねをしたが、これに魔女は気づいていた


魔(今、笑った?)


魔女は大学生の余裕や中学生の場馴れしているかのような状況に違和感を感じていたため、中学生の笑みに気づけたのだ。


そして魔女が違和感を感じている間に


エ「アンタみたいなのがいるから私達みたいな女性は困るのよ!」


エルフがこういう発言をしてしまった。

そのせいで魔女は自分の考えを取り消して、大学生を女の敵としてみるようになった。

さらにこれに拍車をかけたのがエルフの無知さであったのだ。


エルフは痴漢冤罪などという物を知らず、ただただ大学生を女の敵としか見ていない。

エルフは自分が思いつくままに罵詈雑言を大学生にぶつける。


エ「久々に家から出たらこれよ。どうして男の人ってこうなのかしら」


エ「この女の子すっごい泣いてるじゃん。なんでこんなことしたの?」


エ「自分の欲望の為にこういうことするとか、やっぱり人間なんて屑よね!」


中学生は電車内の自分の味方の多さにますます笑みが濃くなっていった。


中(まさかこれほどまでに仲間がいるとはね……痴漢冤罪とも知らないで!)


中学生はもはや自分の勝ちだと信じていた


しかし大学生はまだ余裕であった


大「駅員さん、まだ行くのは早いです。この画面をよく見てください。私はカバンから本を取り出しているだけです」


そう画面には大学生が本を取り出している状況も映っていた。


これによりイケメンは黙ることしかできなかった。

そして携帯電話をすぐに取り上げなかったのがイケメンの失敗であった。


大「それよりもなぜあなたは電車内で写真をとったのですか?これを見ると……エルフの下着が移っているようですが……」


そうみんなは画面の大学生に注目していたが 画面の端の方にエルフのパンツが移っていた


これによりイケメンは顔が蒼くなり、中学生は顔をしかめて、魔女は違和感を再び考えるようになり、モンスターは驚き、エルフは激怒した。

さらにもう一つイケメンは失敗していた。

顔を蒼くする前にたまたまだと主張していればよかったのだ。

それならば、このあとの悲劇を回避できたというのに…。


エ「はぁ!?なんで!?ちょっと!その携帯もっと見せなさいよ!」


イ「えっ、あっ……」


イケメンが自分を取り戻したころにはもう遅かった。

エルフにより携帯の画像フォルダが全てみんなに見せられ……。


その画像フォルダには盗撮の全てが写っていた……。


そしてこれを見てくやしがったのはイケメンだけではない。

中学生もだ。


痴漢冤罪をたくらんでいたのにイケメンの盗撮がいつのまにか主題になっていたのだ。

これは中学生にとってイラつくことばかりである。

しかし中学生にチャンスを与えたものがいた。


モ「えーっと、とりあえず君は盗撮として、違う駅員に受け渡すとして……痴漢のことなんだけど……」


大学生はイケメンに一泡吹かせたことにより、少し気を楽にしていた。

俗に言う、賢者モードともいう状態である。

そのせいで中学生につけこまれる。


中「ぐすん……さっき証拠を求めたわよね…ということは証拠があれば痴漢したって認めるんじゃないの?」


中学生はイケメンが泡を吹いているときにとある細工をしていた。

これが成功すれば中学生の勝ちである。

これは一種の賭けであった。


大「まぁ……証拠があるのなら認めましょう」


大学生は慢心していた。

それは切り札によるものである。

これにより中学生の細工に気づけなかったのだ。


中「実は……私肌が弱くて触られたりすると、跡が残るんですよね…痴漢されてるときにたぶん手形がついたと思うのですが……」


これは完全に嘘である。

肌が弱いことも、跡が残ることもである



「証拠があれば」という大学生の言葉はみんなが聞いている。

そして尻に自分でつけた跡は大学生の手を使ったものだ。

つまり大学生は自分の知らない間に本当に痴漢をしていたことになる。


しかしそれは中学生が自分から押し付けてつくったのだ。

大学生がイケメンの画面に注目しているときに大学生の手を使って自分の尻に跡をつけたのだ。

この細工は大学生が慢心していたこそできたともいえるだろう。


そしてここまで賭けに勝ってきた中学生には更なるツキが回ってきた。


魔「それなら私が確認して来ましょうか?」


魔女の助けである。

さすがに中学生もみんなの前で尻を見せるのは抵抗があったのだ。

しかしこれも魔女の助けによって叶えられるのである。


しかしこれには誤算があった。

大学生には切り札があったのだから……。


大学生はこの時には中学生が細工をしていたことに気づいており。

ここで切り札を使う事にしたのだ。


大「いえ、その必要はありませんよ。その女の子が言ってるのは真っ赤なウソですから」


中「な、何言ってるのよ! 嘘じゃないわ!今すぐここでお尻を見せてもいいのよ!」


皆からすればもはや大学生が苦し紛れに嘘をついてるようにしか見えないだろう。

しかし中学生からすれば、痴漢冤罪しているという自覚があるために大学生の発言がとてつもなく怖く感じた


大「いえ、手形がついてるのは本当でしょうね。でも私は痴漢をしていないのですよ」


中「さっきの言葉をそのまま返すわ!貴方が痴漢してない証拠はどこにあるのよ!」


大「私は痴漢をする必要がないのですよ」


中「えっ……?」


大「だって私は――――女なんですから」


中「なぁ!?」


モ「えっと……それは本当ですか?」


大「はい本当ですよ。これが免許証です」


モ「あ…本当ですね。ということはこの女の子は痴漢されてない……と」


これにより魔女は全てがつながったかのような表情になった。

大学生の余裕、中学生の場馴れしたような態度…。

全て理解できたからだ。


そして中学生は意味もなく喚き散らす。


中「違う!された!されたのよ! この人じゃないなら別の人よ!さっき周りにいた人は誰!?」


もはやみんなは中学生の言う事を信じてはいなかった。

しかしみんなは一応痴漢をしている人がいるかもしれないと思い、中学生の周りにいた人が集まる。

しかしこれには誤算があった。


中「な、なんで女性しか集まってないのよ!」


大「そりゃ、この車両は女性専用車両ですから」


中学生は完全に絶句した。


中学生は痴漢冤罪のことしか考えていなかったため。

いつのまにか女性専用車両に来ていたことに気づかなかったのだ。


それに車両にイケメンが乗っていたのだ。

まさか女性占領車両だったとは夢にも思わないだろう。


魔女の違和感はこの女性専用車両だったこともあるし。

大学生がなぜイケメンが座っていた場所を知っているのかも女性専用車両だったことに通じる。

そしてモンスターが痴漢に対して適当だったことも女性専用車両だったからだ。


女性専用車両で痴漢が起こったことに違和感を感じ、

女性専用車両に男が乗っていたから場所を知っていて、

女性専用車両で痴漢なんて馬鹿馬鹿しいからだ。


モ「それじゃ、これは冤罪だったってことでいいよね」


大「えぇ、まぁはい。それじゃもう行きますね、あ、最後に一言、言わせてください」


モ「ん?なんだい?」


大「ご視聴ありがとうございました」



台本書きな理由→台本だからだよ!!!!!


裏話→天国で行われた劇



そういや女性専用車両って男性が乗ってもいいんですよ?

「女性専用」なんて言葉がついているから勘違いしている人もいるみたいですけどね。

今じゃその勘違いを無くすために、その旨を書いたプラカードを掲げて女性専用車両に乗る男性もいます

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