断罪イベント365ー第37回 ダイアナ王女断罪デビュ―
王子に続き、ついに王女までもが断罪を!?
本日の主役は、王都の花・ダイアナ王女。
紅茶と怒りの香り漂う、華麗なる“断罪デビュー”を飾る。
王都の宮殿。
書庫の窓辺で、ダイアナ王女は紅茶を啜りながら本を読んでいた。
「穏やかな午後ね……たまには、何も起きない日も素敵だわ」
そう微笑んだ直後――
「王女様、少々、よろしいでしょうか」
執事ゼブリスがすっと現れ、いつもより少し小声で耳打ちした。
「伯爵家三男坊、モモタ様が……
街のティーハウスで、若い女性と……その、長時間の会話を……」
「長時間?」
ダイアナは本を閉じた。
「どれくらい?」
「三時間……だそうです」
「……お茶会? それとも“浮気ティータイム”?」
ゼブリスは無言で視線を落とした。
ダイアナは椅子から立ち上がり、風に揺れるドレスの裾を払った。
「モモタ、断罪確定ね。」
その夜、舞踏会。
王都中の貴族が集う華やかな場で、件の男――モモタは、のんきにケーキを頬張っていた。
「いやぁ、紅茶もケーキも王都が一番だな〜♪」
彼の背後から、薔薇の香りと冷気が迫る。
「モ・モ・タ・さ・ま♪」
「はっ……王女様!? その笑顔……怖いっ!」
「“他の女性とお茶をしていた罪”、および――
“私にバレていないと思っていた罪”。これよりあなたを断罪します」
バサァッ。
扇が高らかに開かれ、モモタの頭をぱしっ☆
会場に、凍りついた沈黙が走る。
「謹慎三ヶ月。お部屋から一歩も出てはなりません。
換気? 許しません。空気の尊さは、反省した者だけが享受できます」
「換気も……!? 重罪ぃぃぃ!」
「それと、“ケーキをのんきに頬張っていた罪”も加算。スイーツ断ち決定よ」
モモタ、地獄の三重苦。
舞踏会はその日、ダイアナ王女による
《断罪デビュー》の話題で持ちきりになった。
王子の断罪イベントも顔負けの鮮烈さ。
まさに、王都に新たな“嵐の薔薇”が咲いた瞬間だった。
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