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青春讃歌  作者: 鍋谷葵
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生活土台

新作です。

最後まで読んでいただけたら幸いです。

 中高生のいずれの年代においてもは河野大介(こうのだいすけ)は最良の友人だった。


 相模原市のある住宅街で育った私にとって、周囲に存在するものはすべて均されていた。父親と母親、何十年ローンの綺麗なプレハブ工法の一軒家、人工芝が敷かれた狭い庭に、シルバーのソリオ。


 隣家も家の外壁や自動車の車種が多少異なっているだけで、私たちの家族によく似た人々が住んでいた。それらは首都近郊に住む家庭の一般像であり、無味乾燥とした生活の象徴であった。


 平らな生活圏は幼い私にとって快かった。


 幼少から中学までの生活の中で欠乏していた点を強いて挙げるとするのならば、彼がいなかったことくらいだ。


 彼と出会ったのは、市立中学校二年生のころだった。


 当時も彼は変わり者として学校で有名だった。


 それも悪い意味である。


 彼は授業中に席を立って教室を歩き回ったり、席に座っているときでも脚や手を常に動かしたり、身体的に忙しい痩せた男の子だった。その忙しさは知能にも影響していた。鋭敏な頭脳は理数の分野において驚くほど秀でており、試験では必ず満点かそれに近しい点数を取っていた。


 そのようなぎょろりとした目が特徴的な彼と、私は中学二年のころに初めて同じクラスになった。

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