物語の始まり
「これが...物語?」
彼の問いかけに、宇宙が応える。
「物語は、可能性そのものだ」
タカシは目を閉じる。彼の中で、無数の物語が交錯する。
彼が目を開けたとき、彼はペンを持っていた。
「物語は、僕が作るもの」
彼は書き始める。
「昔々あるところに...」
しかし、彼が書いた文字が踊り出す。文字は独自の意志を持ち、予想外の方向に物語を導いていく。
タカシは驚きつつも、その流れに身を任せる。
物語は彼を導き、同時に彼が物語を導く。
現実と虚構の境界は曖昧になり、あらゆる可能性が交錯する。
そして物語は、思いもよらない結末に向かって疾走する。
最後の一文を書き終えたとき、タカシは気づく。
彼は勇者であり、魔王であり、王であり、そして物語そのものでもあったのだと。
ペンを置き、彼は深呼吸する。
目の前に、新たな扉が現れる。
「さて、次はどんな物語が待っているのかな」
タカシは微笑みながら、扉に手をかける。
扉の向こうで、新たな冒険が彼を待っている。
それは、まだ誰も見たことのない物語。
タカシは扉を開ける。
そこには...
「勇者よ、よく来てくれた。どうか魔王を倒し、この国を救ってほしい。」
物語は終わり、そして再び始まる。
永遠に。