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なろうラジオ大賞4

屋根裏部屋のVtuber とある配信者のリアル

 顔を出さずにアバターを使ってそのキャラクターになり切り配信を行うVtuber。

 人気配信者になると、一回の生配信で数万人もの人を集め、投げ銭で数百万を稼ぐというのだから驚きだ。


 本誌は配信者名を秘密にすることを条件に、とあるVtuberの配信現場を取材した。


「よろしくおねがいします」


 取材に応じたのは都内在住のひろみさん(仮名)だ。

 特別な活動を行っているようには見えない。


 むしろ大人しそうなタイプで、目立たない存在と言った方がいいだろう。


「あはは、そうですね。よく言われます。

 職場でも、あっお前いたの? とか。

 そういう扱いを受けてますねぇ」


 しみじみと語るひろみさん。

 彼女は事務所に属しておらず配信者としては弱小な部類に入るが、結構な数のリスナーを集めているそうだ。


 案内されたのは、彼女の実家の屋根裏部屋。

 配信用の機材が並んでいる。


 正直、半信半疑だった。

 ひろみさんが人を集められるのかと。


 しかし配信が始まると、筆者の疑問は吹き飛んだ。


「はーい! みんな今日もありがとー!

 さっそく配信初めて行きたいとおもいまーす!

 にゃー!」


 まるで人が変わったように軽快な口調でリスナーに語り掛けるひろみさん。

 言葉に詰まることは一切なく、ずっと話し続けている。

 ゲームを始めてからも、ずっと。


 配信で人気を得るコツは、とにかくしゃべり続けること。

 そして、何か一つに特化することだという。


 ひろみさんの売りはお菓子のレビュー。

 食べながら配信するのではなく、今まで食べたお菓子の感想をゲームをしながら話すのだ。


 とにかくお菓子の話しかしていない。

 ゲームはすごく下手。


 それがひろみさんのネットでの評判なのだという。


「ゲームプレイについてはしょっちゅ突っ込まれますよ。

 へたくそだからやめろって、毎回言われます。

 今ではすっかり様式美ですねー」


 数時間にも及ぶ配信の後、彼女はとても楽しそうに話してくれた。


「大して人気じゃないって自分でも分かってます。

 万単位で人を集めてる大手と違って、

 私なんて100人集められるかどうかですからね。

 でも……必ず誰かが見に来てくれるんです。

 その人たちのために私は配信を続けます。

 絶対にやめません」


 ひろみさんは決意のこもった表情で言った。




 この世界には魂をかけて輝こうとする人たちがいる。

 顔も見えない誰かのために、自らの全てをかけて。


 今日も彼女たちは、彼らは、配信を行うのだろう。

 そして沢山人を笑顔にするのだ。

お読みいただきありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ひろみさん、なんか一所懸命で健気で良いな。 こういう人は応援したくなりますよね。 私もなろうで書いてて100人も集められない事もあるけど、頑張ろうと思えました。
[一言] なろう作家もそうだなあ、と思いました。 ブクマの数が少なくても、応援してくれる人がいる。 ちゃんと見てくれる人がいる。 がんばろ、とこの作品を読んで思ったのでした。
2022/12/11 15:57 退会済み
管理
[良い点] VtuberさんやYouTuberさんってすごいですよね! 某イカゲームのライブ配信見てたんですけど、みんな次々とスパチャするんですよ。 私もその配信者さんが大好きなので嬉しかったですね。…
2022/12/11 12:05 退会済み
管理
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