おくりびと〜トラックドライバー〜
俺はトラックドライバー。今日も笑顔と幸せを配達する。
さて、今日一つ目の荷物は…
ア○ゾンが発送元だ。時間は午前指定。業務開始すぐの9時過ぎに配達先に到着した。
“ピンポーン”
インターホンを押すと、家の中から30代前半といったところだろう…女性が出てきた。
「サインお願いします」
女性にボールペンと伝票を渡す俺。彼女はサラサラとサインをして、笑顔と共に俺に返してきた。
「実は今日、娘の誕生日なんです。誕生日パーティーに間に合って良かった。ありがとう。」
おそらくこれから娘さん好みにラッピングでもするのだろう。夕方には家族揃ってパーティーをし、プレゼントを楽しそうに開ける娘さんの姿が目に浮かぶ。俺は幸せを配達しているが、幸せのお裾分けを貰った気分だ。
さて、次の配達先に向かうか…。
俺はハンドルを握り、住宅街を抜け大通りに出た。
と、その時、黒い影が眼の前を横切った瞬間、
“ドーーーーーーーーーーン”
「あ〜…、今月だけで三人、異世界に送ってしまった…。」