84.変わらぬ日々
「・・・・」
「わっ」
「うひゃぁぁあ!?」
「うわっ、そんなに驚かなくてもいいんだよ!」
「あっ…ミールさん 何するんですか! びっくりするじゃないですかぁ」
「そんな処に居るのが悪いんだよ、中に入ればいいんだよ」
「いや、ちょっと聞いてくださいよ」
クラリとミールはギルド本部、丁度凶夜がいる部屋の扉の前に居た
「凶夜さんが起きたみたいなんですよ!」
「え!? 猶更早く中に入るんだよ」
「それがですね…どうやら私達に怒っているみたいでして…」
「なんでなんだよ?」
「そ、そうですよね!?」
「僕は一応クラリが「引きずっていきましょう」って言ったときは止めたんだよ?」
「ああっ!?ずるいっ! ミールさんだって「壊れたら叩けばいいんだよ!」とかいって殴ってたじゃないですか!?」
「知らないんだよ」
「ああっ」
「うるせぇっ!」
「「痛いっ」」
いつの間にか扉の前には、2人を見下ろす形で拳を握りしめた凶夜が立っていた
「…まぁいいから中に入ってこい」
「怒らない?」
「いや、油断しちゃいけませんよ?油断させておいてバクリってのが自然界の法則ですからね」
「馬鹿な事言ってないで、早くしろよ なんにせよ今回に限っては感謝してるんだ、実際お前らが来なかったら危なかったしな」
そう、あのレッドは危なかった、危なすぎる奴だった…と思う
結果として、アプリコットみたいな大きな実害は無かったが、あのままだったら殺されていたか、連れ去られていただろう
(今回もスロットに助けられたか…)
スロット、いやミニスロットか?
そういや、マディ…なんて言ったか、あいつには色々聞きたい事がある
何故俺のスロットの事を知っていたのか?しかも俺以上に詳しく…
「凶夜さん?」
「どうしちゃったんだよ? やっぱり頭が可笑しくなっちゃったんじゃ…」
「はぁ…」
凶夜は深いため息をつき、ちらりと2人へ視線を移す
「あっ、その目はなんですかぁ!心配してたんですよ!」
「お前等はホントもう、ああ、いいや やっぱ」
「気、気になるじゃないですか、ちゃんと最後まで言ってください!」
「なんかわからないけど、失礼なんだよ!」
あぁ…ほんとにもうパーティ組み直してぇ…