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82/106

82.この犯罪者が!

なんだ、どぉしたぁ 


おい、あっちの方からだったぞ?


まじかよ、囚人はほんと碌な事しねぇな…せっかく今日は熟睡出来ると思ったのによぉ


脱走?脱走なのか?いやっほぅ! ぶっ殺してやる!


「おやおや…これはこれは」


「キョーヤ!」


「おぉ…救いの手が! いや…最後の奴は絶対犯罪者だろ、なんて奴を雇ってんだこの村は!」


凶夜がもうどうでもいいかな、なんでこんないざこざに毎回毎回巻き込まれるんだよ…

と、色々諦めかけていた その時


牢獄の入り口の方から複数の足音がこちらへと近づいて来た、看守達だ …たぶん


「はぁ、少しばかり騒ぎが過ぎましたね…非常に悔しいですが凶夜くんを連れて行くのはまた今度にしましょう、そもそも本来の目的はアプリコットですしねぇ」


ふぅ とため息をつき

レッドは、片手を凶夜へ向けて、ひらひらとふる


「じゃ、凶夜くん また会いましょうね」


刹那、一陣の風が舞い凶夜達は思わず目を瞑る

風が去り、目を開けるとそこにレッドの姿は無かった


「二度とごめんだボケェ!クラリ塩まいとけ、塩…」


ドゴォオオオ


「うおっ?」

「わあああ」

「ちょ、ちょっとちょっと凶夜さん何したんですかぁっ」


「いや、ばっか!人聞き悪いこと言うなよ! どう見ても俺は何もしてねーだろーが! レッドの野郎だろ?アプリを連れて帰るとか言ってたし…」


レッドが去ったとほぼ同時に奥の牢獄から激しい爆風が吹き、牢獄全体が激しく揺れる


と、一緒に聞きなれた声が牢獄の奥から響いてきた


「…きょ…様? 離しなさ…キョーヤ様が…いらっしゃるんですの!? ああっ…ーーー様ぁぁぁぁ」


そして遠のいて行く


「……うん、聞かなかったことにしよう」


………これでアプリコットがまた世に放たれる事になるわけだが、今は自分の事で精一杯である凶夜には構っている暇は無い、今を生きる事に必死なのだ


「でも、これで一難去った訳だ…もう会いたくねぇな、彼奴(あいつ)らには」


しみじみと思う、本当にもうこのまま関わらないで、どっか遠くで暮らして欲しい


「おい、貴様らぁっ そこで何をしている!!おっ抵抗する気か!? 動くな、動くなよ!」


そこへ衛兵達が押し寄せて…凶夜達と壊れた牢獄を見て警戒心むき出しで、じりじりと間合いを詰めてくる


「い、いやいやいや、ちょ、ちょっと待ってくれ、俺達は何も…いや、’俺は’何もしてない!」


ちらりと、クラリとミールの方を見る、どうせこのまま行っても死刑になるのだ、こいつ等も巻き込んで一緒に解決策を考えてもらおう、自分等だけ安全圏で協力なんて許さ、いや、真剣さが足りなくなるしな、うん


「今だっ! 確保ぉぉぉぉぉぉ!」


へ?


「うぐあぁぁぁぁあぁぁああああああ」


地面へと押し倒され、屈強な野郎共に関節を決められながら凶夜の意識は遠くなっていく


「凶夜さん、今私達を売ろうとしましたね! どうするんですか凶夜さん、犯罪者ですよぉ」


「ち、違うんだよ! 牢獄を壊したのはキョーヤじゃないんだよ! あ…でも私達が来た時には壊れてたかもしれないんだよ」


後でコイツ等は絶対にぶん殴ると固く誓いながら凶夜は意識を失った

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