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75/110

75.推測にゃ

「これで…きっといけるにゃ!自分を信じるんにゃ。やればできるはずにゃ…頑張れ私!」

 

 自分が出した推測を信じ込むように自分自身に言い聞かせる

 

 準備は整った

 

 大蛇を倒し、その口を確認する

 人 1人が入れるくらいの大きな口を

 

 (きっといけるはずにゃ…いけるはずにゃんだけど…うぐぅ…この蛇臭いにゃぁ)

 

 マディの推測は酷く単純明快なものだ

 靄に取り込まれた自分は死んでしまった。だが、この洞窟の生物はどうなる?

 この洞窟がもし奴の寝ぐらなら’他の生き物がいるわけがない’そう考えたのだ

 

 そして大蛇なら、自分が中に入っても十分な大きさがある。ならば…

 

 ’自身が大蛇の中に入れば、靄から守られるのでは無いか?'

 

 我ながらとんでもない発想だが、可能性が無いよりはマシである

 

 (ぬめぬめのどろどろにゃ…)

 

 大蛇の口には体液がしたたり、その濃密さを物語っている、ここに入れば粘液まみれになる事は必死だ

 

 しかし、靄がマディの元へ届くのは時間の問題だ

 

「ええいっ、もーどうにでもなれにゃあああ」

 

 ずむり、と右足から大蛇の中へと入っていく、ずみゅみゅと嫌な音を立てながら尚も体を沈めていく、大蛇に自分から喰われるなんて、世界中探してもこんな物好きはそうはいないだろう

 

 (ふにゃぁぁぁ、気持ち悪いにゃぁ…)

 

 しかし、こんな所で立ち止まっている訳にはいかない

 

 數十分かけて、丁度 頭まで潜り込んだ時

 

 スアァァァ

 

 と、一陣の風が吹いた

 

 (きたにゃ!)

 

 意を決して大蛇の中へ潜り込み、両手で中から口を閉じる

 

 (靄が散るのはそんなにかからないはずにゃ、奴が洞窟から飛び立つまでのほんの数分、我慢比べにゃ)

 

 どれくらい経っただろうか、マディは大蛇の口の中からひょっこりと頭を出して周りを見渡す

 

 実際には数分かもしれないが、マディには永遠に感じられた時間がやっと終わったのだ

 

「っっいやっったぁにゃあああ!! もうこれ不意打ちとかにゃいよね? 助かったのにゃあぁあああ!」

 

 自身の推測が当たった喜びと、死の連鎖から逃れられた喜びから歓喜の声をあげる

 

 (さっさと水辺まで行って、こんな所からおさらばするにゃん)

 

 全身は粘液でベトベトだがそんな事は気にしてはいられない、いられない…が、もし余裕があれば水浴びでもしようかなと考え、その場を後にした

 

 (はぁ、お日様が恋しいにゃ…)

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